- 植物の分類、花のつくりを分かりやすく教えて!
- たくさん植物名があるから語呂合わせを教えてほしい……
- 植物のまとめノートを書く例が知りたい
実は、中1理科の植物分野で学習すべき内容は、A4ノート5枚分だけです。ごちゃごちゃとノートに書いている人は、覚えることが多すぎるとと感じていることでしょう。
私は大手進学塾講師歴3年、教員歴13年以上をかけて小中高生の理科の指導に現場で携わってきました。また、入試対策問題集の出版社との契約歴もあり、理科教材を100冊以上、比較研究してきました。
そこでこの記事では、中学理科の現役教員による「中1理科の生物分野-植物の分類-」を、分かりやすくコンパクトに解説します。
私が16年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。植物について楽しく理解したい方は、ぜひ最後までお読みください。
植物の分類|中1理科 生物
植物は次の図のように分類できます。
上図のオレンジで書かれている用語は、テストで問われやすいため、しっかりと覚えましょう。
植物を分類するポイントは、次のとおりです。
- 植物は、種子植物と種子をつくらない植物に分けられる
- 種子植物は、裸子植物と被子植物に分けられる
- 被子植物は、単子葉類と双子葉類に分けられる
- 双子葉類は、離弁花類と合弁花類に分けられる
まず、植物の分類について、ざっくりと頭に入れるといいでしょう。大まかに覚えたあと、次章からの詳しい内容を学ぶと効果的です。
植物の各部のはたらき|中1理科 生物
植物は、根・茎・葉・花などからできています。
植物の各部分のつくりや、はたらきについて理解しましょう。
なお、葉と茎の内容は中学2年生で詳しく学ぶ内容ですが、少しは覚えておくといいでしょう。
花のはたらき
花には、種子(しゅし)をつくり、子孫をふやすはたらきがあります。
種子をつくるためには、受粉(じゅふん)が必要です。
受粉とは、おしべのやくから出た花粉が、めしべの柱頭(ちゅうとう)につくことです。
受粉のあと、めしべの子房(しぼう)は果実(かじつ)になり、胚珠(はいしゅ)は種子になります。
- 子房 → 果実
- 胚珠 → 種子
受粉のとき、虫や鳥を引き寄せるのが花弁(かべん)です。
タンポポなどは虫を引き寄せる虫媒花と呼ばれ、ツバキなどは鳥を引き寄せる鳥媒花と呼ばれます。
根のはたらき
植物の根の主なはたらきは、次の2つです。
- からだを支える
- 水や水にとけた養分を吸収する
※中学理科では肥料を養分と呼ぶ
被子植物の主な根のつくりには「単子葉類のひげ根(ね)」や「双子葉類の主根(しゅこん)と側根(そっこん)」があります。
なお、コケ植物には仮根(かこん:からだを地面に固定するはたらき)があり、根はありません。
根の種類
- 単子葉類は、ひげ根
- 双子葉類は、主根と側根
- コケ植物は、仮根
根の先端近くの小さい毛のような部分を根毛(こんもう)といいます。表面積を増やし、効率よく水を吸収できます。
葉のはたらき
葉の主なはたらきは、光合成(こうごうせい)を行い、デンプンなどの栄養分をつくることです。
葉のすじを葉脈(ようみゃく)といい、根から吸い上げた水や水にとけた養分、葉でつくった栄養分などが通ります。
主な葉脈には、平行脈(へいこうみゃく)や網状脈(もうじょうみゃく)があります。それぞれの葉脈のポイントは、次のとおりです。
葉脈
- 平行脈:葉のすじが平行
- 網状脈:葉のすじが網目状
葉では、光合成のほかに、蒸散(じょうさん)や呼吸(こきゅう)という重要なはたらきも、さかんに行っています。詳しくは中学2年生の理科で学習します。
茎のはたらき
茎の主なはたらきは、からだを支え、葉をつけることです。
茎には道管(どうかん)と師管(しかん)があります。
- 道管:根で吸収した水や水にとけた養分を運ぶ
- 師管:葉でつくられた栄養分を運ぶ
道管と師管が束になった部分が維管束(いかんそく)です。
単子葉類と双子葉類では、維管束のつくりに次のようなちがいがあります。
- 維管束が散らばっている:単子葉類
- 維管束が輪になっている:双子葉類
詳しくは中学2年生の理科で学習します。
種子をつくる植物|中1理科 生物
花を咲かせ、種子をつくる植物を種子植物(しゅししょくぶつ)といいます。
種子植物は、胚珠(はいしゅ)により、被子植物(ひししょくぶつ)と裸子植物(らししょくぶつ)に分類できます。
種子植物を胚珠で分類する
- 被子植物:胚珠が子房の中にある植物
- 裸子植物:子房がなく胚珠がむきだしの植物
被子植物のつくり
被子植物(ひししょくぶつ)の主なつくりは、次の4つです。
- めしべ
- おしべ
- 花弁
- がく
がくと花弁により、花の内部を保護しています。
おしべの先端にあって、花粉が入っている部分がやくです。
おしべのやくを支えている部分を花糸といいます。
多くの植物では、外側からがく、花弁、おしべ、めしべの順でついています。
めしべの先端にある、ねばりけがあって花粉がつきやすい部分が柱頭です。
めしべの根もとには、子房と呼ばれるふくらんだ部分があり、胚珠が入っています。
めしべの柱頭と子房をつなぐ部分が花柱です。
裸子植物のつくり
裸子植物(らししょくぶつ)の代表例であるマツには、雌花(めばな)と雄花(おばな)の2種類の花があります。
雌花(めばな)のりん片(ぺん)には、胚珠がむきだしでついています。
受粉すると胚珠は種子になるが、果実はできないです。
雄花(おばな)のりん片には花粉のうがあります。
花粉のうから飛び出る花粉には空気袋があり、風で遠くまで移動できます。花粉が風により遠くまで運ばれるものが風媒花です。
まつぼっくりは理科的には「まつかさ」といいます。まつかさは雌花(めばな)が受粉し、2年たつとできます。
まつぼっくりは2年前の雌花(めばな)なのです。
裸子植物は、マツのほかに、イチョウ、スギ、ソテツが有名です。
「一応、待つらしい」
- 一応 : イチョウ
- 待つ : マツ
- らしい: 裸子植物
被子植物の分類|中1理科 生物
被子植物は、葉脈や根により、単子葉類(たんしようるい)と双子葉類(そうしようるい)に分類できます。
単子葉類
単子葉類(たんしようるい)には、次のようなつくりがあります。
- 葉脈 : 平行脈(へいこうみゃく)
- 子葉 : 1枚
- 維管束: 散らばっている
- 根 : ひげ根
単子葉類のうち、代表的な植物は、イネ、ユリ、トウモロコシ、ツユクサ、スズメノカタビラ、アヤメです。
特にテストに出やすいのはイネ、ユリ、トウモロコシです。
「モウリたんてい、ひげ散っても平気。イイネ!」
- モウ : トウモロコシ
- リ : ユリ
- たんてい: 単子葉類
- ひげ : ひげ根
- 散って : 維管束散らばっている
- 平気 : 平行脈
- イイネ : イネ
双子葉類
双子葉類のつくりは次のとおりです。
- 葉脈 : 網状脈(もうじょうみゃく)
- 子葉 : 2枚
- 維管束: 輪になっている
- 根 : 主根と側根
(しゅこん そっこん)
双子葉類は、花弁のつき方により、合弁花類(ごうべんかるい)と離弁花類(りべんかるい)に分類できます。
合弁花類
花弁が根もとでくっついている合弁花(ごうべんか)のなかまを、合弁花類といいます。
合弁花類のうち、代表的な植物は、ツツジ、アサガオ、タンポポ、ヒマワリ、サツキです。
「朝、ヒマつぶし探検にGO!」
- 朝 : アサガオ
- ヒマ : ヒマワリ
- つぶし : ツツジ
- 探検に : タンポポ
- GO! : 合弁花類
離弁花類
花弁が1枚1枚離れている離弁花(りべんか)のなかまを、離弁花類といいます。
離弁花類のうち、代表的な植物は、アブラナ、サクラ、ホウセンカ、エンドウ、ツバキ、ナズナです。
「便利だが、危ない法律、サクッとエンド!」
- 便利 : 離弁花類
- 危ない : アブラナ
- 法律 : ホウセンカ
- サクッと: サクラ
- エンド : エンドウ
種子をつくらない植物|中1理科 生物
花を咲かせ種子をつくる種子植物とちがい、胞子(ほうし)によって子孫を増やす植物がいます。種子をつくらない植物を、胞子植物ということもあります。
種子をつくらない植物のうち、代表的な植物は、シダ植物やコケ植物です。
シダ植物
シダ植物は種子をつくらず、胞子(ほうし)でなかまを増やします。
胞子は、胞子のうから出ます。
イヌワラビの胞子のうがあるのは、葉の裏側です。乾燥すると、胞子のうがはじけ、胞子を拡散します。
イヌワラビは茎が地下にある「地下茎(ちかけい)」のつくりをしています。地下茎には、根がついており、根から水を吸収します。
シダ植物は、イヌワラビのように根・茎・葉の区別があるものが多いです。
シダ植物のうち、代表的な植物は、スギナ、ゼンマイ、イヌワラビ、ワラビ、ノキシノブです。
「笑いすぎならぜんぜんマシだ」
- 笑い : イヌワラビ、ワラビ
- 過ぎなら: スギナ
- ぜんぜん: ゼンマイ
- マシだ : シダ植物
コケ植物
コケ植物は種子をつくらず、胞子(ほうし)でなかまを増やします。
コケ植物のうち、代表的な植物は、スギゴケ、ゼニゴケ、ミズゴケです。これらの植物は、雄株(おかぶ)と雌株(めかぶ)に分かれたつくりをしています。
雌株には胞子のうがあり、胞子のうから胞子が飛び出します。
コケ植物には根・茎・葉などの区別がないです。維管束もありません。
根がないため、水はからだの表面から吸収します。
なお、根の代わりに仮根(かこん)があり、仮根はからだを地面に固定するはたらきのみ持ちます。
【まとめ】植物の分類・生物の仲間分け|中1理科 生物
植物の分類について解説しました。
植物の各部のつくりやはたらきについても、確認しておきましょう。
種子植物と被子植物・裸子植物の関係については、次のノート図をよく読んでください。
被子植物と単子葉類・双子葉類、合弁花類と離弁花類の関係については、次のノート図のとおりです。
種子をつくらない植物である、シダ植物とコケ植物については、次のようになっています。
まとめノートを1から考えて、キレイにノートを書いていては時間がいくらあっても足りません。本記事のノートを参考に写せば、テスト勉強にもなるし、ノート提出点も上がります。
ぜひノートを書いて、音読して勉強してください。皆さんの勉強のお役に立てるとうれしいです。
理科の勉強で行き詰まったら、下の記事が参考になるでしょう。
みなさんが中学理科をもっと面白く感じ、楽しく学び続けたいと思ってもらえるとうれしいです。