そこでこの記事では、理科の計算が苦手な方でも理解できるよう、中2理科の地学分野【天気記号と乾湿計、大気圧】をまとめて解説します。
私が17年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。天気のキソを理解したい方は、ぜひ最後までお読みください。
気象要素|中2理科 地学
気象要素は気温・湿度・風向・風速・雲量・雨量など、大気のようすを表す要素です。
本章では、気象要素について解説します。
本章で学べる内容は次のとおりです。
本章で学べる内容
- 雲量と天気
- 天気記号【快晴・晴れ・くもり・雨】
- 風向・風速・風力の表し方
- 乾湿計を読み取りと気温・湿度
雲量から天気が決まる
空にしめる雲の量を雲量と言います。
雲量と天気の関係は次のとおりです。
雲量と天気
- 雲量;0割~ 1割 →天気;快晴
- 雲量;2割~ 8割 →天気;晴れ
- 雲量;9割~10割→天気;くもり
天気記号は快晴・晴れ・くもり・雨を覚える
天気記号は、天気を表すための記号です。
下図は、天気記号の一覧です。
テストに出る天気記号|中2理科 地学
中学2年の理科で学習する天気記号のうち、覚えておきたいのは快晴、晴れ、くもり、雨です。
また、雷(かみなり)、雪(ゆき)、あられ(霰)、霧(きり)、天気不明(てんきふめい)の天気記号はテストにたまに出てくるため、覚える余力がある方は覚えてみてください。
ちなみに、英語の天気予報では快晴がclear(クリアー)、晴れがfair(フェアー)です。
【雑学】その他の天気|あられ・ひょう・みぞれの違い
あられとひょう、みぞれはよく勘違いされやすいですが、理科的にはハッキリ意味が違います。
あられと、ひょう、みぞれの違いは次のとおりです。
天気のちがい
- あられ【霰】;5mmより小さい氷の粒
- ひょう【雹】;5mm以上の氷の粒
- みぞれ【霙】;雨と雪が同時にふる
風向・風速・風力の表し方を覚える
天気を示すには、風を表す必要があります。
風には、風向・風速・風力の3つの表し方があります。
風向は風が吹いてくる16方位
風向とは、風が吹いてくる向きのことです。
北風は北よりの風が吹き、南風は南よりの風が吹きます。
向きを示すには16方位を用います。「北東の風」や、「南南東の風」と表します。
方位は東西南北などの向きそのものです。
似たことばの「方角」とは、ある場所を基準にした向きのことです
風速の単位はm/s
風速とは、風が吹く速さのことです。
風速の単位はm/s(メートル毎秒)です。1秒間に空気が移動する距離です。
例えば「春一番」の基準は8m/s、「台風」の目安は15m/sです。
風速は10分間の平均の風速を指します。
また、短時間の風速を示すために「瞬間風速」を用いることもあります
風力は矢羽の数で表す13階級
風力とは、風の強さの程度です。
風力には0から12までの13階級あります。
風力を表す記号として、下図のように矢羽(やばね)の数を用います。
はねの根元の丸の部分には、天気記号を当てはめます。
風力階級表の詳細は下図を参考にしてください。
乾湿計を読み取ると気温と湿度が分かる
乾湿計では、乾球と湿球により気温と湿度をはかれます。
乾球温度計は、ふつうの温度計と同じものです。
乾球温度計では、室温(気温)がはかれます。
湿球温度計は、水にぬれているガーゼを温度計の先に巻き付けていて、乾球温度計より低い温度を示します。
乾球温度計と湿球温度計の値から湿度が分かります。
湿度を求める手順は次のとおりです。
湿度を求める手順
- 乾球温度計の示度[℃]をはかりとる(※気温)
- 湿球温度計の示度[℃]をはかりとる
- 乾球温度計の示度と湿球温度計の示度の差を求める
- 表において【横;乾球】と【縦;乾球と湿球の差】の交点を読み取ると、湿度が分かる
天気図記号|中2理科 地学
天気図記号は天気図(気象要素を加えた地図)に用いる記号です。
本章では天気図記号について解説します。
天気図記号には次の3つの要素があります。
天気図記号の3要素
- 天気記号
- 風向を表す棒
- 風力を表す矢羽の数
天気記号を表す丸
天気図記号では、天気記号で天気を示します。
上図のばあい、天気は快晴だと分かります。
天気図記号は、天気図に用いる記号であり、天気記号とは異なります。
天気記号は、下図のような天気を示す記号です。
天気図記号により、各地点における天気が分かります。
風向を表す棒の向き|風が「吹いてくる」方位
天気図記号では、棒の向きで風向を示します。
上図のばあい「北東の風」だと分かります。
風向はふつう16方位で示されます。
風力を表す矢羽の数
天気図記号では、矢羽(やばね)の数で風力を示します。
上図のばあい、風力は4です。
風力は0から12までの13階級あります。
天気と気温・湿度の関係|中2理科 地学
本章では、天気と気温・湿度の関係を解説します。
本章で学べる内容は、次のとおりです。
- 気象観測グラフの読み取り
- 晴れの日の気温・湿度・気圧
- くもりや雨の日の気温・湿度・気圧
- 1日の気温・湿度の変化
気象観測グラフの読み取り
気象観測グラフを読み取ることで、気温や気圧、湿度などの情報が分かります。
気象観測でラフにはさまざまな種類がありますが、中学理科でよく出るのは、下図のようなグラフです。
上図から分かるのは次のような情報です。
気象観測グラフから分かること
- 風向・風力・天気
- 気圧の変化
- 気温の変化
- 湿度の変化
- 時刻ごとの気象要素の変化
晴れの日の気温・湿度・気圧
下図の気象観測グラフから、快晴と晴れの天気記号を探してみましょう。
観測1日目は快晴と晴れの天気だと分かります。
上のグラフからわかる「晴れの日の天気」の特徴は次のとおりです。
晴れの日の天気
- 早朝の気温は最低。夜も低い
- 昼すぎ(14時頃)の気温は最高
- 湿度は基本的に低い
- 気圧は基本的に高い
くもりや雨の日の気温・湿度・気圧
下図の気象観測グラフから、くもりや雨の天気記号を探してみましょう。
観測2日目はくもりと雨の天気だと分かります。
上のグラフからわかる「くもり・雨の日の天気」の特徴は次のとおりです。
くもり・雨の日の天気
- 気温は基本的に低い
- 湿度は基本的に高い
- 気圧は基本的に低い
気温と湿度について詳しく変化を見ると次のことが分かります。
晴れの日の気温と湿度の関係
- 気温が上がると、湿度が下がる
- 気温が下がると、湿度が上がる
1日の気温・湿度の変化
気温と湿度の変化は次のとおりです。
気温と湿度の関係
- 気温が上がると、湿度が下がる
- 気温が下がると、湿度が上がる
気圧(大気圧)|中2理科 地学
本章では、気圧(大気圧)について解説します。
本章で学べる内容は、次のとおりです。
本章で学べる内容
- 気圧(大気圧)と圧力の関係
- 圧力の求め方
- 気圧の性質
- 気圧の単位
- 気圧の計り方
- 気圧の例題の解き方
気圧(大気圧)と圧力の関係
気圧は空気(大気)の重さによって生じる圧力のことです。大気圧とも言います。
圧力は、一定面積あたりの面を押す力の大きさです。
圧力の単位はN/㎡(ニュートン毎平方メートル)、またはPa(パスカル)です。
大気圧と気圧の関係をまとめると、次のとおりです。
大気圧と気圧の関係
- 大気圧は、一定面積あたりの面を押す大気の力の大きさ
- 大気圧の単位はhPa(ヘクトパスカル)
- 100Pa=1hPa
圧力の求め方
圧力を求める公式は次のとおりです。
圧力の公式
圧力[Pa]=力の大きさ[N]÷力がはたらく面積[㎡]
下図の物体を見て、例題をもとに圧力について考えてみましょう。
(考え方)
100g=1 Nだから、500 g=5 N
1000 ㎠=1 ㎡ だから、100 ㎠=0.01 ㎡
圧力=5(N)÷0.01(㎡)= 500(Pa) =5(hPa)
(答え)
5 hPa
(考え方)
面Aよりも面Bの方が面積が小さい。
質量は変わらないから、力の大きさは変わらない。
よって、面積が小さい面Bでは圧力は大きくなる
(答え)
床を押す力は変わらないが、床にはたらく圧力は大きくなる
気圧の性質
気圧には次の性質があります。
気圧の性質
- あらゆる向きから物体に垂直にはたらく
固体である物体が固体を押す場合は、接する面で圧力がはたらきますが、空気と接するのは物体のすべての面だからです。
気圧の単位
気圧の単位にはふつうhPa(ヘクトパスカル)を用います。
海面と同じ高さの気圧は1013hPaであり、これを1気圧と言います。
気圧にはさまざまな単位がかかわっているため、次のように整理するといいでしょう。
気圧の単位換算
- 1 hPa=100 Pa
- 1 Pa=1 N/㎡
- 1013 hPa=1 気圧
気圧の計り方
気圧はアネロイド気圧計や水銀気圧計で計ります。
気圧の例題
気圧に関する2つの例題に取り組んでみましょう。
(答え)
標高が高いところほど、その上にある大気の重さが小さくなり、大気圧が小さくなるから
(答え)
吸盤の外側に大気圧がはたらくから
図や記号が多い気象の学習は「まとめノート」に書いて理解しよう
中2地学『天気記号と気圧』について解説しました。
天気の表し方と気象要素については、次のようにまとめるといいでしょう。
乾湿計の読み取りは、次のようにまとめると分かりやすいです。
気象観測グラフの読み取りについて、グラフを書いてみると細かいところまで理解しやすいため、ぜひ下のノートを参考にしてください。
大気圧と圧力について、公式とキソ的な考え方を次のように整理しましょう。
圧力と気圧の問題演習は次のようにまとめて、頭の中でごちゃごちゃしないようにしましょう。
以上、中2地学「天気記号と大気圧」でした。
ちなみにアッパレは天晴れと書きます