酸性・アルカリ性の性質を調べる実験
酸性・アルカリ性の水溶液には、共通する性質があります。
この実験では、指示薬による色の変化や、金属との反応を通して、その性質をくわしく調べます。
実験の準備と手順
次の6種類の水溶液を使って、それぞれに指示薬を加えたり、マグネシウムリボンを入れたりして、性質のちがいを調べます。
使用する薬品:
- 酸性:
塩酸 HCl、硫酸 H₂SO₄、酢酸 CH₃COOH - アルカリ性:
水酸化ナトリウム水溶液 NaOH、水酸化バリウム水溶液 Ba(OH)₂、アンモニア水 NH₃ - 指示薬:
BTB溶液・フェノールフタレイン溶液・pH試験紙・マグネシウム片
実験手順の例:
- マイクロプレートに水溶液を入れる
- BTB溶液を加える
- フェノールフタレイン溶液を加える
- pH試験紙をつける
- マグネシウムリボンを入れる
各操作ごとに色の変化や気体の発生を記録し、酸性・アルカリ性の性質を確認します。
実験の結果と考察
水溶液 | BTBの色 | フェノールフタレイン | pH試験紙 | Mgリボン反応 |
塩酸・硫酸・酢酸 | 黄色 | 無色(変化なし) | 黄〜赤 | 気体が出る(H₂) |
水酸化ナトリウム・バリウム・アンモニア水 | 青色 | 赤色になる | 青 | 変化なし |
ポイントまとめ
- 酸性:水素イオン H⁺ がふくまれ、水素を発生
- アルカリ性:水酸化物イオン OH⁻ をふくみ、赤色に変化(フェノールフタレイン)
- 中性:BTBでは緑、pHは7前後、変化なし
実験の化学反応式
酸の電離の式
- 塩酸 HCl → H⁺ + Cl⁻
- 硫酸 H₂SO₄ → 2H⁺ + SO₄²⁻
- 酢酸 CH₃COOH → H⁺ + CH₃COO⁻
アルカリの電離の式
- 水酸化ナトリウム NaOH → Na⁺ + OH⁻
- 水酸化バリウム Ba(OH)₂ → Ba²⁺ + 2OH⁻
- アンモニア水 NH₃ + H₂O ⇆ NH₄⁺ + OH⁻
【発展】酸とマグネシウムとの反応
Mg + 2HCl → MgCl₂ + H₂
※マグネシウム + 塩酸(塩化水素) → 塩化マグネシウム + 水素