- 絵がヘタだから理科のスケッチもうまく書けないんだけど……
- 明日レポートの提出なのにスケッチが書けてない!
理科は好きなんだけど、スケッチの仕方が分からなくて困っている方はとても多いです。
私は大手進学塾講師歴3年、教員歴13年以上をかけて小中高生の理科の指導に現場で携わってきました。また、入試対策問題集の出版社との契約歴もあり、理科教材を100冊以上、比較研究してきました。
そこでこの記事では、レポートやテストでスケッチが出題されても大丈夫なように理科におけるスケッチの仕方をまとめて解説します。
この記事を読めば、中学校の理科スケッチが苦手だと感じている人が「理科のレポート点を上げるスケッチの必勝法」が分かります。
私が16年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。理科のレポート点を上げたい方はぜひ参考にしてください。
【中1 理科スケッチ】観察の仕方
観察するためには次のような観察器具を用います。
- ルーペ
- 双眼実体顕微鏡
- 顕微鏡
上記の観察器具のつかい方とスケッチするときの注意点について学びましょう。
ルーペ
ルーペは持ち運びしやすいため、野外での観察に適している器具です。
なお、野外観察での注意点は、ルーペで太陽を見ないこと。目を痛めてしまうからです。
ルーペのつかい方は次のとおり。
- ルーペは目に近づけて持つ
- 観察物が動かせるときは、観察物を前後に動かしてピントを合わせる
- 観察物が動かせないときは、ルーペと顔を前後に動かしてピントを合わせる
双眼実体顕微鏡
ルーペや顕微鏡は平面的に見えるのに対して、双眼実体顕微鏡は物体を立体的に観察できます。
双眼実体顕微鏡の主な部品名は次のとおり。
- 接眼レンズ
- 対物レンズ
- 粗動ねじ
- 微動ねじ
- 視度調節リング
- 鏡筒
双眼実体顕微鏡の部品のうち、次の3つはピントを合わせるときに必要です。
- 粗動ねじ
- 微動ねじ
- 視度調節リング
双眼実体顕微鏡で物体を観察するには、次の手順どおり行いましょう。
- 接眼レンズが両目の幅に合うように鏡筒を調節する。※視野を重ねる
- 粗動ねじをゆるめ、鏡筒を上下させ、おおよそのピントを合わせる
- 右目でのぞきながら微動ねじでピントを合わせる
- 左目でのぞきながら視度調節リングでピントを合わせる
双眼実体顕微鏡の拡大倍率は次のように計算できます。
- 拡大倍率 = 接眼レンズ × 対物レンズ
双眼実体顕微鏡は、実際に使いながら部品名や手順などを覚えるといいです。ちなみに私が学生のときは、下のような双眼実体顕微鏡を親からもらって、嬉しかった思い出があります(今は部屋のオブジェと化していますが)。
顕微鏡
顕微鏡は双眼実体顕微鏡よりも高い倍率で物体を観察できます。
顕微鏡の主な部品名は次のとおり。
- 接眼レンズ
- 対物レンズ
- 調節ねじ(粗動ねじ・微動ねじ)
- しぼり
- 反射鏡
- レボルバー
- 鏡筒
顕微鏡の主な部品と、覚えておきたい役割は次の3つです。
- しぼりと反射鏡で、明るさを調節する
- 調節ねじ(粗動ねじ→微動ねじ)で、ピントを合わせる
- 「調節ねじだけ」のタイプと「粗動ねじ・微動ねじ」のタイプがある
顕微鏡で物体を観察する手順は、次のとおりです。
- 対物レンズを低倍率にする
※視野を広げ、明るくするため - 反射鏡としぼりを調節する
※視野全体を明るくするため - プレパラートをステージにのせる
- 横から見ながら、対物レンズとプレパラートを近づけるように調節ねじを回す
※接眼レンズをのぞきながら近づけない
※プレパラートが破損するといけないため - プレパラートと対物レンズを離すように調節ねじを回してピントを合わせる
- しぼりを調節して、視野を見やすい明るさにする
※レンズをつけるときは接眼レンズ→対物レンズの順につける。
レンズを外すときは対物レンズ→接眼レンズの順に外す。
顕微鏡の拡大倍率は次のように計算できます。
- 拡大倍率 = 接眼レンズ × 対物レンズ
なお、拡大倍率により生じるちがいは、次の表のとおりです。
なお、顕微鏡を用いて物体を観察・スケッチするときには、視野を示す丸いふちを書かないように注意しましょう。
STEAM教育が流行り出したおかげで、コスパの高い顕微鏡が増えてきました。我が家でも子どもにプレゼントした顕微鏡のリンクを下に貼っておきます。
プレパラート
プレパラートとは、スライドガラスの上に観察物をのせ、カバーガラスでおおったものです。
具体的なプレパラートをつくる手順は、次のとおりです。
- スライドガラスの上に水を1滴たらし、観察物を置く
- 気泡を入れないようにカバーガラスをおく
※カバーガラスの端を水につけてからかぶせる - 余分な水はろ紙で吸い取る
なお、双眼実体顕微鏡での観察にプレパラートは不要ですが、顕微鏡での観察にはプレパラートが必要です。
【中1 理科】スケッチの仕方
理科におけるスケッチのかき方は、美術のスケッチとは異なります。
1.細い線と小さな点ではっきりかく
よく削りとがった鉛筆を使うようにしましょう。
2.輪郭の線は1本の線でかく
美術のスケッチのように線を重ねないようにしましょう。1本の線ではっきりかきます。
3.目的とするものだけを対象としてかく
背景をかかないのはもちろんのこと、枠もかかないようにしてください。
4.スケッチで表せないときは、言葉で記録する
スケッチだけで表せないような内容は、言葉で記録しましょう。大きさなども記録しておきます。
例えば、植物の観察をするときに、次のように言葉で記録します。
- 花の上から下まで、2.1cmだった
- 葉のふちがギザギザになっている
- 葉の下の方は緑色だが、上の方は赤くなっている
- 花弁は白色だが、めしべやおしべなどは黄色をしている
なお、理科のスケッチでは、基本的に色をつけません。
※学校の先生によっては、色鉛筆の使用を許可する場合もあります。
5.観察した日時・場所・天気などの情報も書く
「〇月 △日 午前11:30 くもり 東校舎横の校庭で日当たりのよいところ」などのように書きましょう。
【中学 理科】レポート点の上げ方
現役で中学校の理科教員をしている経験から、レポートの点数を上げる方法を詳しくお伝えします。
1.理科担当の先生に「どうすればレポートの高評価をとれますか」と質問する
先生に質問すると、2つのメリットがあります。
- 先生がどこを大事にしているのか分かる
- 「がんばってるアピール」にもなる
理科のレポートは理科の先生によって評価方法が違います。
中学理科の教員は専門分野が違う人ばかりです。物理を得意とする教員や、中学理科の内容を広く浅く教えることが得意な教員などさまざま。
先生によって評価方法が違うため、レポートの評価をつけるときどのような点に重きを置くかを質問してほしいでのです。
レポートの評価には授業中の学習姿勢や実験時の振る舞いなどが、教員の頭をよぎります。要は、ふだんから頑張っている生徒のレポート点は下げにくいということです。
レポートの質問をすることで、先生に「頑張っている姿勢」を印象づけられるため、積極的に質問しにいきましょう。
2.先生にウケるレポートの書き方を身につける
教員はレポートを評価するとき、次のような点を気にしています。
- 理科レポート的に正しい内容か
- 文の量(空欄はNG)
- レポート提出の早さ
理科レポートの書き方には決まりがあります。
【理科のレポートの書き方】
- 観察・実験タイトル
※教科書を見て正しく書くこと - 観察・実験の日時・天気などの情報、実験者の名前
- 目的
※教科書を見て正しく書くこと - 予想
※「〇〇だから△△になるのではないかと考えられる」と、自分が体験したことをもとに書く - 準備
※教科書を見て正しく書くこと - 方法
※教科書を見て正しく書くこと - 結果
※事実を細かく書く。感想は書かない - 考察
※実験・観察から分かった結論を理由とともに書く
実は、レポートの中でも教員にとって採点しやすい項目と、採点しにくい項目があります。
教員が採点しやすいのは(1.タイトル、2.日時など、3.目的、5.準備、6.方法)の項目。これらの項目は、教科書・指示どおり書けていなければ減点です。
教員が採点しにくい(4.予想、7.結果、8.考察)の書き方のポイントは、次のとおりです。
- 4.予想
あえて変なことを書くことがおすすめ。8.考察を書くときに書きやすくなる - 7.結果
実験中に目に見えた事実を細かく書く。図や表などをつかうと先生ウケ◎ - 8.考察
「〇〇だから△△だと考えられる」のように理由を書く。3.目的や4.予想と比較してどうだったか書くと先生ウケ◎
レポートの考察はなるべくたくさん書きましょう。熱意は必ず伝わります。
教科書や資料集、ワークなどにも実験・観察のことがたくさん書かれているため、参考にしてください。
上記のレポートを書くポイントをおさえたうえで、なるべく早く提出しましょう。学校の教員は提出日にこだわりをもつ人が多いです。
レポートで高評価を取るには、レポートの正しい書き方に沿って、なるべくたくさんの文量で、早く提出することが重要です。
まとめ|スケッチでレポート点を上げて理科の成績UP
理科におけるスケッチは「特徴をとらえてはっきりかく」ことが最重要です。イラストの上手さではありません。
具体的には次のようにかくといいでしょう。
- 細い線と小さな点ではっきりかく
- 輪郭の線は1本の線でかく
- 目的とするものだけを対象としてかく
- スケッチで表せないときは、言葉で記録する
- 観察した日時・場所・天気などの情報もかく
なお、理科においてレポート提出は、評価に大きく影響します。
「どうすればレポートの高評価をとれますか」と質問しにいったり、先生にウケるレポートの書き方を身につけたりして、レポートで高評価をねらいましょう。