- 動物の分類が細かすぎて覚えられない……
- 動物のまとめノートを書く例が知りたい!
実は、中1理科の動物分野で学習すべき内容は、A4用紙たった6枚分だけです。必要なことだけスッキリと覚えればいいのに、きちんとまとめられていない人が多いです。
そこでこの記事では、中学理科の現役教員による「中1理科の生物分野-動物の分類-」を、写真や表を使って、分かりやすく解説します。
私が16年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。動物について効率よく理解したい方は、ぜひ最後までお読みください。
【中1理科】動物の特徴と分類
動物の体や生活の特徴から、動物を分類する方法について学習します。学習項目は次のとおりです。
- 動物の食べ物のちがい
- 動物の背骨と骨格のちがい
- 動物の産み方のちがい
- 動物の生活場所と呼吸のちがい
- 動物の体表と体温のちがい
動物の食べ物のちがい|草食動物と肉食動物
食べ物のちがいにより動物を、草食動物と肉食動物に分類できます。
草食動物と肉食動物は、食べ物が異なるため、体の特徴もちがうのです。
本項目では、草食動物と肉食動物の歯や目、あしのちがいについて解説します。
草食動物
草食動物の特徴は「門歯・臼歯・横向きの目」です。
草食動物では、次の歯が発達しています。
- 門歯:草を切る
- 臼歯:草をすりつぶす
草食動物は、次のような目のつくりをしているのが特徴です。
- 横向きの目
- 視野が広く、広範囲を見渡せる
- 肉食動物の接近に気づきやすい
草食動物のうち、あしにひづめがある生き物がいます。
ひづめは長い距離を走り、肉食動物から逃げるときに役に立ちます。
肉食動物
肉食動物の特徴は「犬歯・前向きの目」です。
肉食動物の発達した歯の特徴は、次のとおりです。
- 犬歯:獲物をしとめる
- 臼歯:皮膚や肉をさき、骨をくだく
肉食動物の目は、次のようなつくりになっています。
- 前向きの目
- 視野がせまい
- 立体的に見える範囲が広い
- 獲物との距離がはかりやすい
肉食動物のうち、あしにかぎ爪がある生き物がいます。
かぎ爪の特徴は次の2点です。
- 獲物をとらえる
- 速く走る
特にテストで問われやすいのは「犬歯・前向きの目」の2点です。特徴といっしょに覚えておきましょう。
動物の背骨と骨格のちがい|脊椎動物と無脊椎動物
動物は背骨や骨格をもとに、なかま分けできます。
なお、日常的には「背骨」ですが、理科的には背骨を脊椎と呼びます。医学的には、背骨と脊椎は別物なのですが、細かい違いは覚える必要がないでしょう。
背骨により、動物を次のように分類します。
- 背骨がある動物 : 脊椎動物
- 背骨がない動物 : 無脊椎動物
骨格とは、骨などがたがいに組み合わさっている、体を支える構造です。
骨格には、次のように内骨格と外骨格があります。
- 内骨格:体の内部に骨格がある
→脳などの神経や内臓を保護する - 外骨格:体の外側をおおう
→体内を保護する
なお、背骨がない無脊椎動物のうち、外骨格はある動物が節足動物です。
背骨も外骨格もない動物が、軟体動物です。
脊椎動物
背骨がある動物を、脊椎動物といいます。
脊椎動物の分類は、次の5種類です。
- 魚類
- 両生類
- は虫類
- 鳥類
- 哺乳類
※地球上に誕生した順
脊椎動物には背骨があるため、内骨格をもちます。
無脊椎動物
背骨がない動物を、無脊椎動物といいます。
中学理科では、無脊椎動物を次のように、3つに分類します。
- 節足動物:背骨はないが、
外骨格はある - 軟体動物:背骨も外骨格もないが
外とう膜はある - その他
なお、節足動物は次のとおり、3つに分類されます。
- 昆虫類
- 甲殻類
- その他
動物の産み方のちがい|胎生と卵生
動物のなかまのふやし方は、主に胎生や卵生、分裂です。
本項目では、胎生と卵生を解説します。
胎生
子を母胎内で、ある程度育ててから産む方法が胎生です。
哺乳類は、胎生でなかまをふやします。
子を産んだあと、しばらく母親が出す乳で育てるのが哺乳類の特徴です。
卵生
卵を産んでなかまをふやす方法が、卵生です。
卵は、次のとおり2つに分けられます。
- 水中に殻のない卵を産む:魚類、両生類
- 陸上に殻のある卵を産む:は虫類、鳥類
殻のある卵の役割は、主に次の2つです。
- 乾燥から守る
- 外敵から卵を守る
卵からかえったあとの子の育て方にも、次のようなちがいがあります。
- 親が子に食べ物を与える:鳥類のみ
- 子が自分で食べ物をとる:鳥類以外
動物の生活場所と呼吸のちがい|肺呼吸とえら呼吸
動物の生活場所と呼吸方法には、次のようなちがいがあります。
脊椎動物の生活場所と呼吸
- 水中で生活する魚類:えら呼吸
- 陸上で生活する動物:肺呼吸
※は虫類、鳥類、哺乳類 - 両生類:子(幼生)は、水中で生活するためえらと皮膚で呼吸し、親(成体)は陸上で生活するため肺と皮膚で呼吸する
水中で生活する無脊椎動物には、えら呼吸するものが多いです。なお、甲殻類や軟体動物にも、えら呼吸する動物がたくさんいます。
昆虫類は他の動物とちがい、気門で空気を取り入れます。
動物の体表と体温のちがい
脊椎動物の体表には、次のようなちがいがあります。
- 魚類:うろこ
- 両生類:うすいしめった皮膚
- は虫類:かたいうろこや、こうら
- 鳥類:羽毛
- 哺乳類:毛
うろこ
魚類やは虫類のうろこをもっています。うろこには、乾燥をふせぐ役割があります。
魚類では、水中でえら呼吸するからだのつくりになっているため、水分がないと死んでしまいます。
は虫類は、乾燥した場所でも生きていけるように、体内の水分をうろこがとどめています。
なお、うろこには外敵や衝撃から身を守る役割もあります。
毛や羽毛
哺乳類にある毛や、鳥類にある羽毛は、体温が下がりにくい特徴があります。
哺乳類や鳥類は、からだのまわりの気温に関係なく、体温が常に一定に保たれるようになっています。このような動物を恒温動物といいます。
なお、まわりの温度により、体温も変化する動物を変温動物といいます。
【中1理科】脊椎動物の分類
脊椎動物には、次のような5つの分類があります。
- 魚類
- 両生類
- は虫類
- 鳥類
- 哺乳類
魚類「ハイギョは魚類なのに○○○」
魚類には次のような特徴があります。
- 生活場所:水中
- 呼吸:えら
- 生まれ方:卵生
水中に殻のない卵を産む - 子は自分で食べ物をとる
- 体表:うろこ
- 骨格:内骨格
- 例:フナ、メダカ、タツノオトシゴ、サケ
ハイギョは魚類と両生類の中間的な存在であり、魚類から両生類への進化の過程を示す動物なのです。
両生類「イモリは○○○類」
両生類には次のような特徴があります。
- 生活場所:子(幼生)は水中、親(成体)は陸上か水辺
- 呼吸:幼生はえらと皮膚、成体は肺と皮膚
- 生まれ方:卵生
水中に殻のない卵を産む - 子は自分で食べ物をとる
- 体表:うすいしめった皮膚
- 骨格:内骨格
- 例:イモリ、カエル、サンショウウオ
は虫類「ヤモリは○○○類」
は虫類には次のような特徴があります。
- 生活場所:陸上
- 呼吸:肺
- 生まれ方:卵生
陸上に殻のある卵を産む - 子は自分で食べ物をとる
- 体表:かたいうろこ、こうら
- 骨格:内骨格
- 例:ヤモリ、ヘビ、カメ、ワニ、カナヘビ、トカゲ
鳥類「シソチョウは鳥類では…」
鳥類には次のような特徴があります。
- 生活場所:陸上
- 呼吸:肺
- 生まれ方:卵生
陸上に殻のある卵を産む - 親が子に食べ物を与える
- 体表:羽毛
- 骨格:内骨格
- 例:ペンギン、ウグイス、ワシ
最新の研究では、シソチョウ(1億4600万年前)よりも古い地層から、アンキオルニス(1億6000万年前)という4枚の翼をもつほとんど鳥に近い恐竜が発見されています。
哺乳類「カモノハシは哺乳類なのに○○○」
哺乳類には次のような特徴があります。
- 生活場所:陸上
- 呼吸:肺
- 生まれ方:胎生
- 母親が出す乳で育てる
- 体表:毛
- 骨格:内骨格
- 例:コウモリ、イルカ、ウサギ、イヌ、ハムスター
【中1理科】無脊椎動物の分類|節足動物と軟体動物
中学理科で学習する無脊椎動物は、次のように3つに分類されます。
無脊椎動物の分類
- 節足動物
- 軟体動物
- その他
なお「その他」を、次のように細かく分類する資料集などもあります。
- 環形(かんけい)動物
:ミミズ、ヒル - きょく皮(ひ)動物
:ウニ、ヒトデ - 腔腸(こうちょう)動物
:クラゲ、サンゴ
節足動物|甲殻類と昆虫類
節足動物には、次のような3つの分類があります。
節足動物の分類
- 甲殻類
- 昆虫類
- その他
なお「その他」を、次のように細かく分類する資料集などもあります。
- 多足類:ヤスデ、ムカデ
- クモ類:クモ、サソリ
甲殻類「ダンゴムシは○○○類」
甲殻類には次のような特徴があります。
- 生活場所:多くは水中
- 呼吸:多くはえら
- 生まれ方:卵生
- 体のつくり:頭胸部、腹部に分かれる
- 骨格:外骨格
- 例:エビ、カニ、ダンゴムシ、ミジンコ、フナムシ、ザリガニ、ウミホタル
昆虫類
昆虫類には次のような特徴があります。
- 呼吸:気門
- 生まれ方:卵生
- 体のつくり:頭部、胸部、腹部に分かれる
※胸部にはね2対、あし3対がある - 骨格:外骨格
- 例:バッタ、チョウ、カブトムシ、アリ
その他の節足動物
甲殻類や昆虫類ではないが、クモやムカデも節足動物です。
クモはクモ類であり、頭胸部と腹部に分かれています。頭胸部に4対のあしがあります。サソリもクモ類です。
ムカデは多足類であり、頭部と胴部に分かれています。胴部の各節ごとに1対のあしがあります。ヤスデも多足類です。
軟体動物
軟体動物には次のような特徴があります。
- 生活場所:多くは水中
- 呼吸:多くはえら
- 生まれ方:卵生
- 体のつくり:内臓は外とう膜に覆われている
- 骨:背骨も外骨格もない
- 例:イカ、タコ、貝(アサリなど)、マイマイ、ウミウシ、ナメクジ
イカの内部には「軟甲」と言われる、体を支えるつくりがあります。炭酸カルシウムでできており、貝における貝殻と同じ成分です。
その他の無脊椎動物
節足動物や軟体動物のほかにも、無脊椎動物はたくさんいます。詳しくは中学理科では取り扱いませんが、次のように細かく分類する資料集などもあります。
- 環形(かんけい)動物
:ミミズ、ヒル - きょく皮(ひ)動物
:ウニ、ヒトデ、ナマコ - 腔腸(こうちょう)動物
:クラゲ、サンゴ、イソギンチャク - その他:プラナリア、ゾウリムシ、ツリガネムシ
環形動物、きょく皮動物、腔腸動物といった分類名までは中学理科では覚える必要はないでしょう。高校生物で詳しく学習します。
【まとめ】動物の分類表まとめノートを無料配布!
動物の単元は、次の分類表のようにざっくりまとめられます。
動物の分類について、細かくまとめていくと下のノート画像のようにまとめられます。
中学理科の定期テストや入試では節足動物や軟体動物に関する問題が多いです。次のようにまとめノートを書くといいでしょう。
動物単元は、図を書いて、イメージを頭に焼き付けましょう。なかなか、文字だけでは記憶にのこらず、テストになると頭が真っ白になってしまいます。
ノートの書き方の参考になると思いますので、こちらも読んでみてください。
なお、中学校のテストや高校入試は覚えることが多いです。間違った勉強法をしていると、せっかくの努力が無駄になってしまいます。
勉強法についてお悩みの方は下の記事も、ぜひお読みください。
さいごに、勉強でもっとも大事なことは「悩まずひとに相談すること」です。中学生の皆さんの貴重な時間を「無駄に悩む」ことにつかってほしくありません。
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勉強は正しい方法で、きちんとやれば必ず結果が出ます。皆さんの活躍を応援しています。