- 植物の光合成(こうごうせい)のしくみとはたらきを分かりやすく教えて!
- 光合成に必要なものとか、葉緑体とか、よく分かんない…
- 光合成の実験や呼吸との関係のまとめノートを書く例が知りたい
中学2年で学習する植物の体・光合成の学習内容は、ノートにして6枚以上もあり、覚えることが多くてたいへんです。さらに、教科書や資料集も情報量が多く、何から覚えたらいいのか分からないと悩みますよね。
私は大手進学塾講師歴3年、教員歴14年以上をかけて小中高生の理科の指導に現場で携わってきました。また、入試対策問題集の出版社との契約歴もあり、理科教材を100冊以上、比較研究してきました。
そこでこの記事では、中学理科の現役教員が「中2理科の生物分野-植物の光合成のしくみとはたらき-」を、どこよりも分かりやすく解説します。
この記事を読むと、テストに出る問題を意識してつくられた最強のまとめノートにそって学習できるため、効率よく光合成の内容が覚えられるようになります。
私が17年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。2年生になって成績を上げたい方はぜひ参考にしてください。
植物の光合成(こうごうせい)のしくみ|中2理科 生物
植物が行う光合成とは、次のとおりです。
本章では、植物の光合成について詳しく解説します。
光合成が行われる場所【葉,葉緑体】
光合成は、主に葉で行います。
植物は、どの葉も重なり合わないようについています。
植物の葉が重なり合わない理由は、葉で多くの光を受けて、栄養分をたくさんつくるためです。
光合成は、葉の細胞内の葉緑体という緑色の粒で行われます。
葉の緑色の部分でしか光合成はできません。
光合成するためのエネルギー【日光】
光合成をするためには、葉緑体に光を当てる必要があります。
【光合成に当てる光は?】
光合成には日光などの白色光を当てるといいでしょう。
光合成には主に可視光(目に見える光)が有効とされているからです。
LEDなどでも光合成が行われます。
なお、赤外線や紫外線だけを当てても光合成は行われません。
光合成に必要なもの【二酸化炭素,水】
光合成を行うには、二酸化炭素と水が必要です。
二酸化炭素は気孔からとり入れ、細胞内の葉緑体に渡されます。
水は、根から吸い上げられ維管束の道管を通って、葉の葉緑体に渡されます。
光合成でつくられるもの【デンプン,酸素】
植物は葉で光合成を行い、酸素とデンプンなどの栄養分をつくります。
酸素は気孔から出ていきます。
デンプンなどの栄養分は水にとけやすい物質に変わり、師管を通って全身へ運ばれます。
デンプンは、成長のためにつかわれたり、果実や種子などにたくわえられたりします。
【水にとけやすい物質って何?】
光合成をすると、まず単糖であるブドウ糖がつくられます。
光合成によってできたブドウ糖は、次のようにつかわれます。
- ブドウ糖がいくつも結びついてデンプンがつくられ、葉に貯蔵される
- ブドウ糖が2つだけ結びついてショ糖がつくられ、師管を通って全身に運ばれる
光合成の実験|中2理科 生物
光合成のはたらきを確かめるために、主に次の4つの実験があります。
実験 | 実験で分かること |
ふ入りの葉の実験 | 緑色の葉に日光が当たるとデンプンができる |
オオカナダモの実験 | 葉緑体に日光が当たるとデンプンができる |
吸う気体を確かめる実験 | 葉は光合成で二酸化炭素を取り入れる |
出す気体を確かめる実験 | 葉は光合成で酸素を出す |
本章では、上記の4つの実験を詳しく説明します。
ふ入りの葉の実験
ふ入りの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験について、解説します。
手順
ふ入りの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。
【ふ入り葉の実験手順】
- アルミニウムはくで一部をおおう
- 熱湯につける
※細胞をこわして、エタノールを細胞内に入れやすくするため - エタノールに入れる
※葉を脱色し、観察しやすくするため - 熱湯に入れて加熱する
※エタノールは引火しやすいため - 水で洗う
- ヨウ素溶液につける
※ヨウ素デンプン反応が起こると青紫色になるため
ちなみに「ふ」は漢字では「斑」と書きます。
葉のなかで白くなっている部分を指します。
葉の各部分を、次のようにA~Dに分けます。
- 緑色で光が当たる部分;A
- 緑色で光が当たらない部分;B
- 斑で光が当たる部分;C
- 斑で光が当たらない部分;D
〔結果〕
葉にヨウ素溶液をつけると、部分A~部分Dは次のような結果を示します。
A;緑色・光が当たる | 青紫色に変化した |
B;緑色・光が当たらない | 変化なし |
C;斑・光が当たる | 変化なし |
D;斑・光が当たらない | 変化なし |
結果をまとめると次のように言えます。
Aは青紫色に変化したが、部分B~部分Dは変化しなかった
〔考察〕
実験結果より、光合成について次の2点が考えられます。
- 部分Aと部分Cを比べると、光合成は葉の緑色の部分で行われ、デンプンができた
- 部分Aと部分Bを比べると、光合成は日光が当たると行われ、デンプンができた
この実験では顕微鏡を用いて観察していないため、葉緑体で光合成が行われたかを考察できません。
オオカナダモの実験【BTB溶液】
オオカナダモを用いて、光合成のはたらきを確かめる実験について解説します。
〔手順〕
オオカナダモの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。
【実験手順】
- ペトリ皿Aに葉を入れ、光に当てる
- ペトリ皿Bに葉を入れ、暗室に置く
- ペトリ皿Aとペトリ皿Bの葉にヨウ素溶液をつけ、顕微鏡で観察する
実験で注意すべきことは、次の2つです。
- Bを暗室に置いた理由は、葉にあるデンプンをなくすためである
- ペトリ皿Aとペトリ皿Bで、2つの実験手順をとったのは、対照実験をするためである
※対照実験;調べたい1つの条件だけを変え、それ以外の条件は同じにして行う
〔結果〕
ヨウ素溶液をつけた結果 | |
A;光に当てた葉 | 葉緑体の部分だけ青紫色になった |
B;暗室に置いた葉 | 変化なし |
結果をまとめると次のように言えます。
葉を光に当てたら、葉緑体の部分のみ青紫色に変化した
〔考察〕
光合成 | |
A;光に当てた葉 | 行った |
B;暗室に置いた葉 | 行わなかった |
実験結果より、光合成について次のように考えられます。
- 葉緑体に光が当たることで、デンプンができる
- 光合成は葉緑体で行われる
吸う気体を確かめる実験【光合成で出入りする物質】タンポポの葉
タンポポの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験を解説します。
〔手順〕
タンポポの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。
【実験手順】
- 試験管Aに葉と呼気を入れた後、光に当てる
- 試験管Bに呼気のみを入れ、光に当てる
- 試験管Aと試験管Bに石灰水を入れ、よく振る
呼気とは、はき出す息のことです。
空気中よりも呼気中の方が二酸化炭素の量が多いです。
なお、石灰水を用いた理由は、二酸化炭素に反応し白くにごるためです。
石灰水ではなく、気体検知管で二酸化炭素量を確認する方法もあります。
〔結果〕
石灰水を入れ、よく振る | |
A;葉あり・呼気・光 | 変化なし |
B;葉なし・呼気・光 | 白くにごる |
結果をまとめると次のように言えます。
- 葉を入れた試験管Aは石灰水に変化がなかった
- 葉を入れなかった試験管Bは石灰水が白くにごった
〔考察〕
二酸化炭素の量 | |
A;葉あり・呼気・光 | 減少する |
B;葉なし・呼気・光 | 変化なし |
試験管Aの結果から分かることは次のとおりです。
〔試験管Aの考察〕
葉で光合成が行われ、二酸化炭素が吸収されたため、石灰水が変化しなかった
試験管Bの結果から分かることは次のとおりです。
〔試験管Bの考察〕
二酸化炭素の量を変化させる条件がなかったため、呼気中の二酸化炭素に反応して石灰水が白くにごった
この実験における総合的な考察として、次のことが分かります。
〔本実験の考察〕
植物が光合成を行うと、二酸化炭素を取り入れることが分かる
対照実験をしたことで言えることは、次のとおりです。
- 植物の葉がなければ、二酸化炭素が減少しない
- 「二酸化炭素が減少したのは、葉のはたらきによるということが分かる」でもOK
出す気体を確かめる実験【光合成で出入りする物質とは】水草&ペットボトル
水草を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験を解説します。
〔手順〕
水草を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。
【実験手順】
- 水槽に水を入れ、ペットボトルと試験管を水で満たしておく
- 水で満たしたペットボトルに水草を入れる
- 穴をあけたフタにゴム管を通し、水で満たした試験管にゴム管のもう一方の端を入れる【水上置換法】
- 水草に日光が当たるようにする
- 試験管に気体が集まったら、水槽からとり出し、試験管に火をつけた線香を入れる
〔結果〕
この実験の結果は、次のとおりです。
線香は炎をあげて激しく燃えた
〔考察〕
実験結果から、次のことが考察できます。
植物が光合成を行うと、酸素を出す
植物の光合成と呼吸|中2理科 生物
植物の葉に日光が当たると光合成を行います。
なお、植物は光合成だけでなく呼吸も行っています。
本章では、植物の呼吸について詳しく解説します。
植物の呼吸【酸素を吸い、二酸化炭素を出す】
呼吸とは、酸素を取り入れ、二酸化炭素を出すはたらきを言います。
植物は、光合成しているとき、同時に呼吸もしています。
植物の呼吸を確かめる実験
植物の葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験を解説します。
〔手順〕
植物の葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。
【実験手順】
- 袋Aに葉を入れ、暗室に置く。
- 袋Bに葉を入れずに、暗室に置く。
- 袋Aと袋Bは、ゴム管を通した後、口をしばり、ゴム管のもう一方の端を試験管に入れておく【下方置換法】
- 試験管Aと試験管Bに石灰水を入れ、よく振る
袋Aと袋Bを暗室に置いた理由は、光合成を行わないようにするため。
〔結果〕
石灰水を入れ、よく振る | |
A;葉あり・暗室 | 白くにごる |
B;葉なし・暗室 | 変化なし |
結果をまとめると次のように言えます。
葉を入れた試験管Aは、石灰水が白くにごった
葉を入れなかった試験管Bは、石灰水に変化がなかった
〔考察〕
二酸化炭素の量 | |
A;葉あり・暗室 | 増加する |
B;葉なし・暗室 | 変化なし |
試験管Aの結果から分かることは次のとおりです。
〔試験管Aの考察〕
葉で呼吸が行われ、二酸化炭素が出されたため、石灰水が白くにごった
試験管Bの結果から分かることは次のとおりです。
〔試験管Aの考察〕
二酸化炭素の量を変化させる条件がなかったため、石灰水に変化がなかった
この実験における総合的な考察としては、次のことが分かります。
〔本実験の考察〕
葉を入れた袋の二酸化炭素量が増えていることから、植物は呼吸をしている
対照実験をしたことで言えることは、次のとおりです。
- 植物の葉がなければ、二酸化炭素が増加しない
- 「二酸化炭素が増えたのは葉のはたらきによることが分かる」でもOK
光合成と呼吸の量
植物の呼吸と光合成についてまとめると、次のように言えます。
【植物のはたらき】
- 植物は光が当たると、光合成・呼吸をする
- 植物は光が当たらないと、呼吸だけをする
昼の太陽光がよく当たるとき、植物は見かけ上は光合成だけを行っているように見えます。
光が強い昼間は、 呼吸より光合成で出入りする気体の量の方が多いからです。
【太陽光がよく当たる昼】
光合成のはたらき > 呼吸のはたらき
なお、夜など光が当たらないときは光合成を行わないため、呼吸によって二酸化炭素を出します。
【太陽光が当たらない夜】
光合成のはたらき < 呼吸のはたらき
天気がくもりであったり、夕方などで日光が弱まったときは、光合成と呼吸のはたらきがほとんど同じ強さになります。
夕方などは、見かけ上は気体を出し入れしていないように見えるのです。
根・茎・葉のつくりとデンプンのゆくえ|中2理科 生物
植物は光合成により、葉でデンプンをつくります。
葉でつくられたデンプンは、水にとけやすい物質に変わり、維管束を通って根や茎など全身に運ばれます。
維管束とは、道管と師管が集まり束をつくっている部分です。
維管束と道管・師管の関係は、次のとおりです。
【維管束と道管・師管】
- 道管;根で吸収した水や水にとけた養分が通る
- 師管;葉でつくられた栄養分が通る
- 維管束は、根・茎・葉でつながっている
本章では、デンプンが運ばれる維管束について、根や茎と葉をどのようにつながっているか、葉のつくりや細胞などについて、詳しく解説します。
茎のつくり【師管 道管 維管束】
茎は体を支え、葉をつけるのが主なはたらきです。
茎のつくりのポイントは、次の3つです。
【茎のつくり】
- 茎には維管束が通っている
- 師管;維管束の外側にある
- 道管;維管束の内側にある
茎のつくりは植物の分類によって、ちがいが見られます。
単子葉類と双子葉類の維管束のちがいは、次のとおりです。
単子葉類と双子葉類の維管束について、次のポイントをおさえましょう。
【維管束のちがい】
- 単子葉類の横断面 = 維管束が散在している
- 双子葉類の横断面 = 維管束が輪のように並んでいる
茎にデンプンが運ばれるしくみは、次のとおりです。
茎にデンプンが運ばれるしくみ
- 光合成で葉にデンプンがつくられる
- 水にとけやすい物質に変わる
- 師管を通って、茎へ運ばれる
- デンプンとして蓄えられる
上記のようにして、茎に栄養がたくわえられるのです。
ちなみに、ヒトが茎を食べる代表的な植物は、アスパラやタケノコなどがあります。
勘違いされやすいのですが、ジャガイモやサトイモ、レンコン、ショウガは茎です。地下にあるため地下茎とも言われます。
ネギも茎だと思われがちですが、白い部分も含めて葉です。
根のつくり【師管 道管 根毛】
根には次の2つのはたらきがあります。
【根のはたらき】
- 体を支える
- 水や水にとけた養分を吸収する
下図は、根を切って横断面を顕微鏡で観察した写真とイメージ図です。
上図より、知っておくべき根のつくりのポイントは、次の3つです。
【根のつくり】
- 根にも維管束が通っている
- 師管;維管束の外側にある
- 道管;維管束の内側にある
なお、根には根毛がたくさんあります。
根毛は、根の先端近くの小さい毛のような部分です。
根毛は、根と土がふれる表面積が大きくなるため、効率よく水を吸収できる特徴があります。
根にデンプンが運ばれるしくみは、次のとおりです。
根にデンプンが運ばれるしくみ
- 光合成で葉にデンプンがつくられる
- 水にとけやすい物質に変わる
- 師管を通って、茎を通り根へ運ばれる
- デンプンとして蓄えられる
上記のようにして、根に栄養がたくわえられるのです。
ちなみに、ヒトが根を食べる代表的な植物は、大根やゴボウなどがあります。
勘違いされやすいのですが、サツマイモは根で、ジャガイモやサトイモは茎です。
葉のつくり【気孔】
葉の横断面と葉の細胞のスケッチは、下図のとおりです。
葉の横断面のポイントは、次のとおりです。
【葉のつくり】
- 葉の表側には表皮がある(表皮細胞)
- 葉の内側(上側)には、すきまなく並んでいる細胞の集まりがある
- 葉の内側(下側)には、すきまが多い細胞の集まりがある
- 維管束のうち、道管は上側にあり、師管は下側にある
- 葉の裏側には気孔がある(孔辺細胞)
細胞について、次の3点もおさえておくといいでしょう。
【葉の細胞の特徴】
- 気孔は、三日月形の孔辺細胞でできている
- 孔辺細胞には葉緑体があるが、表皮細胞には葉緑体がない
- 表皮細胞にも孔辺細胞にも、核は1つずつある
気孔のはたらきは、次の2つです。
【気孔のはたらき】
- 酸素・二酸化炭素の出入口
※呼吸;酸素が出て、二酸化炭素が入る
※光合成;酸素が入り、二酸化炭素が出る - 水蒸気の出口
※蒸散
発展的な内容ですが、葉の横断面の細胞・組織については次のとおりです。
- 葉の内側(上側)の、すきまなく並んでいる細胞の集まり…柵状組織※光合成を効率よく行える
- 葉の内側(下側)の、すきまが多い細胞の集まり…海綿状組織※気孔から気体が出入りするのに都合がよい
葉のはたらき【蒸散の実験】
葉のはたらきは、主に次の3つです。
【葉のはたらき】
- 光合成を行い、デンプンなどの栄養分をつくる
- 葉のすじ(葉脈)には、水や養分、栄養分が通る(葉脈=維管束)
- 蒸散や呼吸をさかんに行う
蒸散とは、根から吸い上げられた水が、気孔から水蒸気として出ていくはたらきのことです。
蒸散を行うと、吸水(根からの水の吸い上げ)がさかんになるという特徴があります。
〔実験〕
蒸散のはたらきを確かめる実験は、次のように行います。
〔手順〕
実験手順は次のとおりです。
【蒸散実験の手順】
- 試験管A~試験管Dを条件にしたがって、ワセリンをぬる
A;葉にワセリンをぬらない
B;葉の表にワセリンをぬる
C;葉の裏にワセリンをぬる
D;葉がない - 全ての試験管には、同じ量の水を入れ、油を落とす
- 全体の質量を、それぞれ電子てんびんで測定する
- 明るく風通しのよいところにしばらく置く
- 再び電子てんびんで測定し、減少量を計算する
- ワセリンをぬった理由; 気孔を防ぎ、蒸散が行えないようにするため
- 油を水に落とした理由; 水面を防ぎ、水の蒸発が起きないようにするため
〔結果〕
水の減少量は、下表のようになります。
試験管 | A | B | C | D |
水の減少量 (㎤) | 34 | 28 | 7 | 1 |
試験管Bと試験管Cを比べると、次のことが分かります。
葉の裏側からの蒸散量は、表側より多い
〔考察〕
葉の裏側の蒸散量が多い結果から、次のようなことが考察できます。
気孔は葉の裏側に多い
〔実践問題〕
蒸散の実験では、試験管Dの水の減少量を求める問題がテストに出やすいです。
解き方はいろいろありますが、ポイントは次の公式を理解することです。
【蒸散公式】
D = B + C ー A
上の公式を理解するポイントは、植物の蒸散する場所を正しく理解することです。
【植物の蒸散場所】
- A;葉の表と裏と茎
- B;葉の裏と茎
- C;葉の表と茎
- D;茎のみ
上記の蒸散場所を、蒸散公式に当てはめると、次のようになります。
B+CーA
=(裏+茎)+(表+茎)ー(表+裏+茎)
=茎
A、B、Cに数を当てはめた計算は、次のとおりです。
茎(葉以外の部分)から放出された水蒸気の量は1㎤だと分かります。
【まとめ】植物の光合成とデンプン・呼吸の関係|中2理科 生物
本記事では植物の体について学びました。
光合成のしくみについて、次のノート図を参考にしましょう。
【光合成】
葉緑体が光を受けて、水と二酸化炭素から、デンプンなどの栄養分と酸素をつくる
光合成のはたらきを確かめるために、次の4つの実験があります。
- ふ入りの葉の実験
- オオカナダモの実験
- 吸う気体を確かめる実験
- 出す気体を確かめる実験
ふ入りの葉の実験は、次のノート図のとおりです。
ふ入りの葉の実験での注意点と注意する理由は、次のようにまとめられます。
【実験の注意点】
- エタノールをつかう理由;葉を脱色し、観察しやすくするため
- エタノールは熱湯に入れて加熱する理由;エタノールは引火しやすいため
- ヨウ素溶液につける理由;ヨウ素デンプン反応が起こると青紫色になるため
ふ入りの葉の実験で考察できることは、次の2つです。
【ふ入り葉実験で分かること】
- 光合成は葉の緑色の部分で行われ、 デンプンができたことが分かる
- 光合成は日光が当たると行われる
オオカナダモの実験は、次のようにまとめられます。
オオカナダモの実験で考察できることは、次のとおりです。
葉緑体に光が当たることでデンプンができる
吸う気体を確かめる実験は、次のようにまとめられます。
吸う気体を確かめる実験で考察できることは、次のとおりです。
植物が光合成を行うと、二酸化炭素を取り入れる
出す気体を確かめる実験は、次のようにまとめられます。
出す気体を確かめる実験で考察できることは、次のとおりです。
植物が光合成を行うと、酸素を出す
植物が行っている呼吸のまとめノートは、下図のとおりです。
- 呼吸;酸素を取り入れ、二酸化炭素を出すはたらき
- 呼吸を確かめる実験での考察は「二酸化炭素を出していることから、植物も呼吸をしていることが分かる」となる
茎のつくりについて、単子葉類と双子葉類でのちがいを、次のように解説しました。
- 単子葉類;維管束が散在
- 双子葉類;維管束が輪のように並ぶ
根にも維管束が通っており、下図のとおり覚えるといいでしょう。
【根の維管束】
- 師管;外側
- 道管;内側
葉のつくりは、下図を参考にしましょう。
- 維管束のうち、道管は上、師管は下
- 葉の細胞のうち、上はすきまなく並び、下はすきまが多い
- 葉の裏側には気孔が多数見られる
葉の蒸散について、下図のようにまとめるといいでしょう。
- 蒸散とは、根から吸い上げられた水が気孔から、水蒸気として出ていくはたらき
- 蒸散を行うと、吸水(根からの水の吸い上げ)がさかんになる
以上、中学2年生の生物分野『植物の体』についての学習でした。
1年生で学習した植物について復習したい方はこちらからどうぞ▼
顕微鏡のつかい方についても復習するといいでしょう▼
2年生で学習した細胞についての内容はこちら▼
最後までご覧いただきまことにありがとうございます。読者の皆さんの理科の学習のお役に少しでも立てれば幸いです。