- 顕微鏡、双眼実体顕微鏡のつかい方を分かりやすく教えて!
- ルーペとかスケッチとか、よく分かんない!
- 理科のまとめノートを書く例が知りたい
中学理科では顕微鏡や双眼実体顕微鏡を3年間、さまざまな実験・観察でつかいます。定期テストや高校入試でも出題される内容なので、きちんと理解しておくことが必要です。
私は大手進学塾講師歴3年、教員歴13年以上をかけて小中高生の理科の指導に現場で携わってきました。また、入試対策問題集の出版社との契約歴もあり、理科教材を100冊以上、比較研究してきました。
そこでこの記事では、中学理科の現役教員による「顕微鏡やルーペのつかい方」を、できる限りやさしくていねいに解説します。
私が16年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。理科を楽しくわかりやすく理解したい方は、ぜひ最後までお読みください。
顕微鏡のつかい方
顕微鏡は中学校1年生の4月~5月に登場して、中学3年間の理科の授業にたくさん出てくる大切な学習内容です。
顕微鏡のつかい方の「まとめノート」の例は、次のとおりです。
必ず自分でノートに書いて、赤シートでかくして、音読しながら学習しましょう。上記の内容をくわしく、ていねいに解説します。
顕微鏡の部品の名前
顕微鏡の主な部品の名前は次のとおりです。
顕微鏡の主な部品名
- 接眼レンズ
- 対物レンズ
- 調節ねじ(粗動ねじ・微動ねじ)
- しぼり
- 反射鏡
- レボルバー
- 鏡筒
顕微鏡の主な部品と、覚えておきたい役割は次の3つです。
- しぼりと反射鏡で、明るさを調節する
- 調節ねじ(粗動ねじ→微動ねじ)で、ピントを合わせる
- 「調節ねじだけ」のタイプと「粗動ねじ・微動ねじに分かれている」タイプがある
顕微鏡の操作の手順
顕微鏡で物体を観察する操作手順は、次のとおりです。
- 対物レンズを低倍率にする
- 反射鏡としぼりを調節する
- プレパラートをステージにのせる
- 横から見ながら、対物レンズとプレパラートを近づける向きに調節ねじを回す
- プレパラートと対物レンズを離す向きに調節ねじを回してピントを合わせる
- しぼりを調節して、視野を見やすい明るさにする
【レンズのつけ方・外し方】
- レンズをつけるときは接眼レンズ→対物レンズの順につける
- レンズを外すときは対物レンズ→接眼レンズの順に外す
なお、顕微鏡を操作するときの注意点は次のとおりです。
顕微鏡の注意点
- 操作1「対物レンズを低倍率にする」にはレボルバーを回す
- 操作1「対物レンズを低倍率にする」理由は、視野を広げ明るくするため
- 操作2「反射鏡としぼりを調節する」理由は、視野全体を明るくするため
- 操作4「横から見ながら……調節ねじを回す」ときに接眼レンズをのぞきながら近づけてはいけない。その理由は、対物レンズやプレパラートが破損するといけないため
- 操作4「調節ねじを回す」について、粗動ねじでだいたいのピントを合わせてから微動ねじで微調整するものもある
顕微鏡の拡大倍率
理科室でよくつかう顕微鏡の拡大倍率は、およそ40倍~600倍程度です。
なお、顕微鏡の拡大倍率は次のように計算できます。
拡大倍率 = 接眼レンズ × 対物レンズ
例えば、接眼レンズに「15倍」、対物レンズに「40倍」と書いてある場合、顕微鏡の拡大倍率は次のように計算できます。
(式) 15 × 40 = 600
(答え) 600 倍
倍率が高い対物レンズと低い対物レンズでは、顕微鏡の見え方にちがいがあります。
なお、低倍率の対物レンズは小さく、高倍率の対物レンズは背が高いです。
顕微鏡とプレパラート
プレパラートとは、スライドガラスの上に観察物をのせ、カバーガラスでおおったものです。
具体的なプレパラートをつくる手順は、次のとおりです。
- スライドガラスの上に水を1滴たらし、観察物を置く
- 気泡を入れないようにカバーガラスをおく
※カバーガラスの端を、水につけてからかぶせる - 余分な水はろ紙で吸い取る
なお、双眼実体顕微鏡での観察にプレパラートは不要ですが、顕微鏡での観察にはプレパラートが必要です。
双眼実体顕微鏡のつかい方
双眼実体顕微鏡には、次のようなポイントがあります。
- 片目で見る顕微鏡よりも倍率の低いものを観察するときにつかう
- 主に20倍~40倍程度のものを観察する
- ものを立体的に観察できる
双眼実体顕微鏡のつかい方の「まとめノート」の例は、次のとおりです。
必ず自分でノートに書いて、赤シートでかくして、音読しながら学習しましょう。
双眼実体顕微鏡の部品の名前
双眼実体顕微鏡の主な部品名は、次のとおりです。
双眼実体顕微鏡の主な部品名
- 接眼レンズ
- 対物レンズ
- 粗動ねじ
- 微動ねじ
- 視度調節リング
- 鏡筒
双眼実体顕微鏡の部品のうち、次の3つはピントを合わせるときにつかいます。
ピントを合わせる部品
- 粗動ねじ
- 微動ねじ
- 視度調節リング
ステージにも種類があり、観察物によってつかい分けることがあります。
- 白いステージ
- 黒いステージ
- ガラスのステージ
双眼実体顕微鏡の操作の手順
双眼実体顕微鏡で物体を観察する手順は、次のとおりです。
双眼実体顕微鏡の観察手順
- 接眼レンズが両目の幅に合うように鏡筒を調節する。※左右の視野を重ねる
- 粗動ねじをゆるめ、鏡筒を上下させ、おおよそのピントを合わせる
- 右目でのぞきながら微動ねじでピントを合わせる
- 左目でのぞきながら視度調節リングでピントを合わせる
双眼実体顕微鏡の拡大倍率
理科室でよくつかう双眼実体顕微鏡の拡大倍率は、およそ20倍~40倍程度です。
なお、双眼実体顕微鏡の拡大倍率は次のように計算できます。
拡大倍率 = 接眼レンズ × 対物レンズ
例えば、接眼レンズに「10倍」、対物レンズに「4倍」と書いてあるとき、顕微鏡の拡大倍率は次のように計算できます。
(式) 10 × 4 = 40
(答え) 40 倍
【中学理科】ルーペのつかい方
ルーペは持ち運びしやすいため、野外での観察に適している器具です。
なお、野外観察での注意点は、ルーペで太陽を見ないこと。目を痛めてしまうからです。
ルーペのつかい方は次のとおりです。
理科室によくあるルーペは、10倍程度の倍率のものが多いです。
【中学理科】スケッチのしかた
理科におけるスケッチのかきかたは、理科レポートをつくるときに必要です。上記の5つのポイントをおさえるようにしましょう。
なお、次のことに注意してスケッチをかくといいでしょう。
- よく削り、とがった鉛筆を使う
- 鉛筆だけでかく
- 線を重ねない
- 影をつけない
- 色を塗りつぶさない
- 背景をかかない
- ルーペや顕微鏡の視野の枠をかかない
- 大きさなどは言葉で記録する
下の記事でスケッチについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
【中1理科生物】分類のしかた
生物をなかま分けして整理することを分類といいます。
観点と基準を決めると、分類しやすくなります。観点と基準については次の通りです。
- 観点は、なかま分けするための「ちがい」
- 基準は、見つけた観点のうちの具体例
例えば、スズメとメダカは次のように分類できます。
- 生活場所という観点で分類する
- 基準は、生活場所が「陸上」か「水中」とする
- 陸上で生活するのはスズメ、水中で生活するのがメダカと分類できる
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顕微鏡、双眼実体顕微鏡のつかい方について解説しました。
顕微鏡のつかい方は、中学校3年間ずっと実験・観察でつかうので、しっかりと理解しておきましょう。
生物の観察と分類のしかたについても解説しました。
ルーペのつかい方やスケッチのしかたも、中学校の理科において大切な内容なので、理解を深めておきましょう。
ぜひ、自分の手でノートを書いて、音読して勉強してください。皆さんの勉強のお役に立てるとうれしいです。
なお、理科のおすすめの勉強法には一問一答形式の「暗記ノート」をつくるといいです。
この記事の内容の暗記ノートの例もつくりました。次のノート画像を参考にしてください。
ぜひ、自分で書いて、右側をかくして学習してください。
理科のレポートで高評価を取るコツについて、解説している記事もあります。
理科の勉強で行き詰まったら、下の記事が参考になるでしょう。
みなさんが中学理科をよりおもしろく感じて、もっと学びたいと思ってもらえるとうれしいです。