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中2理科|光合成のしくみと根茎葉のつくりを分かりやすく解説! #生物 #植物 #生命

植物の体 光合成 アイキャッチ
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  • 植物の光合成(こうごうせい)のしくみはたらきを分かりやすく教えて!
  • 光合成に必要なものとか、葉緑体とか、よく分かんない…
  • 光合成実験呼吸との関係のまとめノートを書く例が知りたい

中学2年で学習する植物の体・光合成の学習内容は、ノートにして6枚以上もあり、覚えることが多くてたいへんです。さらに、教科書や資料集も情報量が多く、何から覚えたらいいのか分からないと悩みますよね。

は大手進学塾講師歴3年、教員歴14年以上をかけて小中高生の理科の指導に現場で携わってきました。また、入試対策問題集の出版社との契約歴もあり、理科教材を100冊以上、比較研究してきました。

そこでこの記事では、中学理科の現役教員が「中2理科の生物分野-植物の光合成のしくみとはたらき-」を、どこよりも分かりやすく解説します。

この記事を読むと、テストに出る問題を意識してつくられた最強のまとめノートにそって学習できるため、効率よく光合成の内容が覚えられるようになります。

私が17年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。2年生になって成績を上げたいはぜひ参考にしてください。 

植物の光合成(こうごうせい)のしくみ|中2理科 生物

植物が行う光合成とは、次のとおりです。

光合成とは、次のとおり。 ・葉緑体が光を受けて ・水と二酸化炭素から ・デンプンなどの栄養分と酸素をつくる 【光合成のしくみ】 水 + 二酸化炭素 ↓【光を受けて光合成】↓ 栄養分 + 酸素

本章では、植物の光合成について詳しく解説します。

光合成が行われる場所【葉,葉緑体】

光合成は、主にで行います。

植物は、どの葉も重なり合わないようについています。
植物の葉が重なり合わない理由は、
葉で多くの光を受けて、栄養分をたくさんつくるためです。

葉緑体

光合成は、葉の細胞内の葉緑体という緑色の粒で行われます。
葉の緑色の部分でしか光合成はできません

光合成するためのエネルギー【日光】

光合成をするためには、葉緑体に光を当てる必要があります。

【光合成に当てる光は?】

光合成には日光などの白色光を当てるといいでしょう。
光合成には主に可視光(目に見える光)が有効とされているからです。

LEDなどでも光合成が行われます。
なお、赤外線や紫外線だけを当てても光合成は行われません。

光合成に必要なもの【二酸化炭素,水

光合成 気孔から二酸化炭素をとり入れ、根から水を吸収する

光合成を行うには、二酸化炭素が必要です。

二酸化炭素気孔からとり入れ、細胞内の葉緑体に渡されます。

は、から吸い上げられ維管束道管を通って、葉の葉緑体に渡されます。

光合成でつくられるもの【デンプン,酸素】

光合成 酸素:気孔から出る デンプン:葉でつくる→師管→全身へ

植物は光合成を行い、酸素デンプンなどの栄養分をつくります。

酸素気孔から出ていきます。

デンプンなどの栄養分水にとけやすい物質に変わり、師管を通って全身へ運ばれます。

デンプンは、成長のためにつかわれたり、果実や種子などにたくわえられたりします。

【水にとけやすい物質って何?】

光合成をすると、まず単糖であるブドウ糖がつくられます。

光合成によってできたブドウ糖は、次のようにつかわれます。

  • ブドウ糖がいくつも結びついてデンプンがつくられ、葉に貯蔵される
  • ブドウ糖が2つだけ結びついてショ糖がつくられ、師管を通って全身に運ばれる

光合成の実験|中2理科 生物

光合成のはたらきを確かめるために、主に次の4つの実験があります。

実験実験で分かること
ふ入りの葉の実験緑色の葉日光が当たるとデンプンができる
オオカナダモの実験葉緑体日光が当たるとデンプンができる
吸う気体を確かめる実験葉は光合成で二酸化炭素を取り入れる
出す気体を確かめる実験葉は光合成で酸素を出す

本章では、上記の4つの実験を詳しく説明します。

ふ入りの葉の実験

ふ(斑)入りの葉 葉の白い部分 葉緑体がない

ふ入りの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験について、解説します。

手順

ふ入りの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。

〔手順〕 1. アルミニウムはくで一部をおおう 2. 熱湯につける ※細胞をこわして、エタノールを細胞内に入れやすくするため 3. エタノールに入れる ※葉を脱色し、観察しやすくするため 4. 熱湯に入れて加熱する ※エタノールは引火しやすいため 5. 水で洗う 6. ヨウ素溶液につける ※ヨウ素デンプン反応が起こると青紫色になるため

【ふ入り葉の実験手順】

  1. アルミニウムはくで一部をおおう
  2. 熱湯につける
    ※細胞をこわして、エタノールを細胞内に入れやすくするため
  3. エタノールに入れる
    ※葉を脱色し、観察しやすくするため
  4. 熱湯に入れて加熱する
    ※エタノールは引火しやすいため
  5. 水で洗う
  6. ヨウ素溶液につける
    ヨウ素デンプン反応が起こると青紫色になるため

ちなみに「」は漢字では「斑」と書きます。
葉のなかで白くなっている部分を指します。

葉の各部分を、次のようにA~Dに分けます。

  • 緑色で光が当たる部分;A
  • 緑色で光が当たらない部分;B
  • 斑で光が当たる部分;C
  • 斑で光が当たらない部分;D

〔結果〕

葉にヨウ素溶液をつけると、部分A~部分Dは次のような結果を示します。

A;緑色・光が当たる青紫色に変化した
B;緑色・光が当たらない変化なし
C;斑・光が当たる変化なし
D;斑・光が当たらない変化なし

結果をまとめると次のように言えます。

Aは青紫色に変化したが、部分B~部分Dは変化しなかった

〔考察〕

実験結果より、光合成について次の2点が考えられます。

  1. 部分Aと部分Cを比べると、光合成は葉の緑色の部分で行われ、デンプンができた
  2. 部分Aと部分Bを比べると、光合成は日光が当たると行われ、デンプンができた
〔結果〕 Aは青紫色に変化したが、部分B~部分Dは変化しなかった。 〔考察〕 1. 部分Aと部分Cを比べると、光合成は葉の緑色の部分で行われ、デンプンができたことが分かる。 2. 部分Aと部分Bを比べると、光合成は日光が当たると行われ、デンプンができたことが分かる。

この実験では顕微鏡を用いて観察していないため、葉緑体で光合成が行われたかを考察できません

オオカナダモの実験【BTB溶液】

オオカナダモ 別名:アナカリス

オオカナダモを用いて、光合成のはたらきを確かめる実験について解説します。

〔手順〕

オオカナダモの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。

【実験手順】

  1. ペトリ皿Aに葉を入れ、光に当てる
  2. ペトリ皿Bに葉を入れ、暗室に置く
  3. ペトリ皿Aとペトリ皿Bの葉にヨウ素溶液をつけ、顕微鏡で観察する

実験で注意すべきことは、次の2つです。

  1. Bを暗室に置いた理由は、葉にあるデンプンをなくすためである
  2. ペトリ皿Aとペトリ皿Bで、2つの実験手順をとったのは、対照実験をするためである
    対照実験;調べたい1つの条件だけを変え、それ以外の条件は同じにして行う

〔結果〕

ヨウ素溶液をつけた結果
A;光に当てた葉葉緑体の部分だけ青紫色になった
B;暗室に置いた葉変化なし

結果をまとめると次のように言えます。

葉をに当てたら、葉緑体の部分のみ青紫色に変化した

〔考察〕

光合成
A;光に当てた葉行った
B;暗室に置いた葉行わなかった

実験結果より、光合成について次のように考えられます。

  • 葉緑体が当たることで、デンプンができる
  • 光合成は葉緑体で行われる
オオカナダモの実験 〔結果〕 A;光に当てた葉 →葉緑体の部分だけ青紫色になった B;暗室に置いた葉 →変化なし ▶結果をまとめると次のように言えます。 ・葉を光に当てたら、葉緑体の部分のみ青紫色に変化した 〔考察〕 A;光に当てた葉 →光合成を行った B;暗室に置いた葉 →光合成を行わなかった ▶実験結果より、光合成について次のように考えられます。 ・葉緑体に光が当たることで、デンプンができる

吸う気体を確かめる実験【光合成で出入りする物質】タンポポの葉

タンポポの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験を解説します。

手順 1. 試験管Aに葉と呼気入れた後、光に当てる 2. 試験管Bに呼気を入れ、光に当てる 3. 試験管Aと試験管B石灰水を入れ、よく振る

〔手順〕

タンポポの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。

【実験手順】

  1. 試験管Aにと呼気を入れた後、光に当てる
  2. 試験管Bに呼気のみを入れ、光に当てる
  3. 試験管Aと試験管Bに石灰水を入れ、よく振る

呼気とは、はき出す息のことです。
空気中よりも呼気中の方が
二酸化炭素の量が多いです。

なお、石灰水を用いた理由は、二酸化炭素に反応し白くにごるためです。

石灰水ではなく、気体検知管で二酸化炭素量を確認する方法もあります。

〔結果〕

石灰水を入れ、よく振る
A;葉あり・呼気・光変化なし
B;葉なし・呼気・光白くにごる

結果をまとめると次のように言えます。

  • 葉を入れた試験管Aは石灰水に変化がなかった
  • 葉を入れなかった試験管Bは石灰水が白くにごった

〔考察〕

二酸化炭素の量
A;葉あり・呼気・光減少する
B;葉なし・呼気・光変化なし

試験管Aの結果から分かることは次のとおりです。

〔試験管Aの考察〕
葉で光合成が行われ、二酸化炭素が吸収されたため、石灰水が変化しなかった

試験管Bの結果から分かることは次のとおりです。

〔試験管Bの考察〕
二酸化炭素の量を変化させる条件がなかったため、呼気中の二酸化炭素に反応して石灰水が白くにごった

この実験における総合的な考察として、次のことが分かります。

〔本実験の考察〕
植物が光合成を行うと、
二酸化炭素を取り入れることが分かる

対照実験をしたことで言えることは、次のとおりです。

  • 植物のがなければ、二酸化炭素が減少しない
  • 二酸化炭素が減少したのは、葉のはたらきによるということが分かる」でもOK

出す気体を確かめる実験【光合成で出入りする物質とは】水草&ペットボトル

水草を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験を解説します。

水草を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。 〔手順〕 1. 水槽に水を入れ、ペットボトルと試験管を水で満たしておく 2. 水で満たしたペットボトルに水草を入れる 3. 穴をあけたフタにゴム管を通し、水で満たした試験管にゴム管のもう一方の端を入れる【水上置換法】 4. 水草に日光が当たるようにする 試験管に気体が集まったら、水槽からとり出し、試験管に火をつけた線香を入れる 5. この実験の結果と考察は、次のとおりです。 〔結果〕 線香は炎をあげて激しく燃える 〔考察〕 植物が光合成を行うと、酸素を出す

〔手順

水草を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。

【実験手順】

  1. 水槽に水を入れ、ペットボトルと試験管を水で満たしておく
  2. 水で満たしたペットボトルに水草を入れる
  3. 穴をあけたフタにゴム管を通し、水で満たした試験管にゴム管のもう一方の端を入れる【水上置換法
  4. 水草に日光が当たるようにする
  5. 試験管に気体が集まったら、水槽からとり出し、試験管に火をつけた線香を入れる

〔結果〕

この実験の結果は、次のとおりです。

線香は炎をあげて激しく燃えた

〔考察〕

実験結果から、次のことが考察できます。

植物が光合成を行うと、酸素を出す

植物の光合成と呼吸|中2理科 生物

植物の葉に日光が当たると光合成を行います。

なお、植物は光合成だけでなく呼吸も行っています

本章では、植物の呼吸について詳しく解説します。

植物の呼吸【酸素を吸い、二酸化炭素を出す】

呼吸とは、酸素を取り入れ二酸化炭素を出すはたらきを言います。

植物は、光合成しているとき、同時に呼吸もしています。

植物の呼吸を確かめる実験

植物の葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験を解説します。

植物の葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験 【実験手順】 1. 袋Aに葉を入れ、暗室に置く。 2. 袋Bに葉を入れずに、暗室に置く。 3. 袋Aと袋Bは、ゴム管を通した後、口をしばり、ゴム管のもう一方の端を試験管に入れておく【下方置換法】 4. 試験管Aと試験管Bに石灰水を入れ、よく振る ※袋Aと袋Bを暗室に置いた理由は、光合成を行わないようにするため。 〔結果〕 ・葉を入れた試験管Aは、石灰水が白くにごった ・葉を入れなかった試験管Bは、石灰水に変化がなかった 〔考察〕 試験管Aの結果から分かることは次のとおりです。 ▶葉で呼吸が行われ、二酸化炭素が出されたため、石灰水が白くにごった 試験管Bの結果から分かることは次のとおりです。 ▶二酸化炭素の量を変化させる条件がなかったため、石灰水に変化がなかった この実験における総合的な考察としては、次のことが分かります。 ▶葉を入れた袋の二酸化炭素量が増えていることから、植物は呼吸をしている なお、対照実験をしたことで言えることは、次のとおりです。 ▶植物の葉がなければ、二酸化炭素が増加しない ※「二酸化炭素が増えたのは葉のはたらきによることが分かる」でもOK

〔手順〕

植物の葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。

【実験手順】

  1. 袋Aに葉を入れ、暗室に置く。
  2. 袋Bに葉を入れずに、暗室に置く。
  3. 袋Aと袋Bは、ゴム管を通した後、口をしばり、ゴム管のもう一方の端を試験管に入れておく【下方置換法
  4. 試験管Aと試験管Bに石灰水を入れ、よく振る

袋Aと袋Bを暗室に置いた理由は、光合成を行わないようにするため。

〔結果〕

石灰水を入れ、よく振る
A;葉あり・暗室白くにごる
B;葉なし・暗室変化なし

結果をまとめると次のように言えます。

葉を入れた試験管Aは、石灰水が白くにごった
葉を入れなかった試験管Bは、石灰水に変化がなかった

〔考察〕

二酸化炭素の量
A;葉あり・暗室増加する
B;葉なし・暗室変化なし

試験管Aの結果から分かることは次のとおりです。

〔試験管Aの考察〕
葉で
呼吸が行われ、二酸化炭素が出されたため、石灰水が白くにごった

試験管Bの結果から分かることは次のとおりです。

〔試験管Aの考察〕
二酸化炭素の量を変化させる条件がなかったため、
石灰水に変化がなかった

この実験における総合的な考察としては、次のことが分かります。

〔本実験の考察〕
葉を入れた袋の二酸化炭素量が増えている
ことから、植物は呼吸をしている

対照実験をしたことで言えることは、次のとおりです。

  • 植物のがなければ、二酸化炭素が増加しない
  • 二酸化炭素が増えたのは葉のはたらきによることが分かる」でもOK

光合成と呼吸の量

植物の呼吸と光合成についてまとめると、次のように言えます。 【植物のはたらき】 ・植物は光が当たると、光合成・呼吸をする ・植物は光が当たらないと、呼吸だけをする 昼の太陽光がよく当たるとき、植物は見かけ上は光合成だけを行っているように見えます。

植物の呼吸光合成についてまとめると、次のように言えます。

【植物のはたらき】

  • 植物は光が当たると、光合成・呼吸をする
  • 植物は光が当たらないと、呼吸だけをする

昼の太陽光がよく当たるとき、植物は見かけ上は光合成だけを行っているように見えます。
光が強い昼間は、 呼吸より光合成で出入りする気体の量の方が多いからです。

【太陽光がよく当たる昼
光合成のはたらき  呼吸のはたらき

なお、夜など光が当たらないとき光合成を行わないため、呼吸によって二酸化炭素を出します。

【太陽光が当たらない夜
光合成のはたらき  呼吸のはたらき

天気がくもりであったり、夕方などで日光が弱まったときは、光合成と呼吸のはたらきがほとんど同じ強さになります。

夕方などは、見かけ上は気体を出し入れしていないように見えるのです。

根・茎・葉のつくりとデンプンのゆくえ|中2理科 生物

植物は光合成により、葉でデンプンをつくります。

葉でつくられたデンプンは、水にとけやすい物質に変わり、維管束を通って根や茎など全身に運ばれます。

維管束とは、道管師管が集まり束をつくっている部分です。
維管束と道管・師管の関係は、次のとおりです。

維管束と道管・師管

  • 道管根で吸収した水水にとけた養分が通る
  • 師管葉でつくられた栄養分が通る
  • 維管束は、根・茎・葉でつながっている

本章では、デンプンが運ばれる維管束について、根や茎と葉をどのようにつながっているか、葉のつくりや細胞などについて、詳しく解説します。

茎のつくり【師管 道管 維管束】

維管束の違い 単子葉類;散在している 双子葉類;輪のように並んでいる

体を支え、葉をつけるのが主なはたらきです。

茎のつくりのポイントは、次の3つです。

【茎のつくり】

  1. 茎には維管束が通っている
  2. 師管;維管束の外側にある
  3. 道管;維管束の内側にある

茎のつくりは植物の分類によって、ちがいが見られます。

単子葉類双子葉類の維管束のちがいは、次のとおりです。

茎のつくりは植物の分類によって、ちがいが見られます。 単子葉類と双子葉類の維管束のポイントは、次のとおりです。 【単子葉類の横断面】 維管束が散在している 【双子葉類の横断面】 維管束が輪のように並んでいる

単子葉類双子葉類維管束について、次のポイントをおさえましょう。

【維管束のちがい】

  • 単子葉類の横断面 = 維管束散在している
  • 双子葉類の横断面 = 維管束輪のように並んでいる

茎にデンプンが運ばれるしくみは、次のとおりです。

茎にデンプンが運ばれるしくみ

  1. 光合成で葉にデンプンがつくられる
  2. 水にとけやすい物質に変わる
  3. 師管を通って、へ運ばれる
  4. デンプンとして蓄えられる

上記のようにして、に栄養がたくわえられるのです。

ちなみに、ヒトが茎を食べる代表的な植物は、アスパラやタケノコなどがあります。

勘違いされやすいのですが、ジャガイモやサトイモ、レンコン、ショウガは茎です。地下にあるため地下茎とも言われます。

ネギも茎だと思われがちですが、白い部分も含めて葉です。

根のつくり【師管 道管 根毛】

根には次の2つのはたらきがあります。

【根のはたらき】

  1. 体を支える
  2. 水にとけた養分を吸収する

下図は、根を切って横断面を顕微鏡で観察した写真とイメージ図です。

根のつくり 根のつくりについて言えるポイントは、次の3つです。 1. 根にも維管束が通っている 2. 師管;維管束の外側にある 3. 道管;維管束の内側にある なお、根には根毛がたくさんあります。根毛は、根の先端近くの小さい毛のような部分です。 根毛は、根と土がふれる表面積が大きくなるため、効率よく水を吸収できる特徴があります。

上図より、知っておくべき根のつくりのポイントは、次の3つです。

【根のつくり】

  1. 根にも維管束が通っている
  2. 師管;維管束の外側にある
  3. 道管;維管束の内側にある

なお、根には根毛がたくさんあります。
根毛は、根の先端近くの小さい毛のような部分です。

根毛は、根と土がふれる表面積が大きくなるため、効率よく水を吸収できる特徴があります。

根にデンプンが運ばれるしくみは、次のとおりです。

根にデンプンが運ばれるしくみ

  1. 光合成デンプンがつくられる
  2. 水にとけやすい物質に変わる
  3. 師管を通って、茎を通り根へ運ばれる
  4. デンプンとして蓄えられる

上記のようにして、根に栄養がたくわえられるのです。

ちなみに、ヒトが根を食べる代表的な植物は、大根やゴボウなどがあります。

勘違いされやすいのですが、サツマイモは根で、ジャガイモやサトイモは茎です。

葉のつくり【気孔】

葉の横断面と葉の細胞のスケッチは、下図のとおりです。

葉のつくりと葉の細胞 表皮・表細胞 維管束(道管 師管) 葉緑体 気孔・孔辺細胞葉の横断面のポイントは、次のとおりです。

葉のつくり

  1. 葉の表側には表皮がある(表皮細胞
  2. 葉の内側(上側)には、すきまなく並んでいる細胞の集まりがある
  3. 葉の内側(下側)には、すきまが多い細胞の集まりがある
  4. 維管束のうち、道管は上側にあり、師管は下側にある
  5. 葉の裏側には気孔がある(孔辺細胞

細胞について、次の3点もおさえておくといいでしょう。

【葉の細胞の特徴】

  • 気孔は、三日月形の孔辺細胞でできている
  • 孔辺細胞には葉緑体があるが、表皮細胞には葉緑体がない
  • 表皮細胞にも孔辺細胞にも、核は1つずつある

気孔のはたらきは、次の2つです。

【気孔のはたらき】

  1. 酸素二酸化炭素出入口
    呼吸酸素が出て、二酸化炭素が入る
    光合成酸素が入り、二酸化炭素が出る
  2. 水蒸気出口
    蒸散

発展的な内容ですが、葉の横断面の細胞・組織については次のとおりです。

  1. 葉の内側(上側)の、すきまなく並んでいる細胞の集まり…柵状組織※光合成を効率よく行える
  2. 葉の内側(下側)の、すきまが多い細胞の集まり…海綿状組織※気孔から気体が出入りするのに都合がよい

葉のはたらき【蒸散の実験】

葉のはたらきは、主に次の3つです。

【葉のはたらき】

  1. 光合成を行い、デンプンなどの栄養分をつくる
  2. 葉のすじ(葉脈)には、水や養分、栄養分が通る(葉脈=維管束
  3. 蒸散呼吸をさかんに行う

蒸散とは、根から吸い上げられた水が、気孔から水蒸気として出ていくはたらきのことです。

蒸散を行うと、吸水(根からの水の吸い上げ)がさかんになるという特徴があります。

〔実験〕

蒸散のはたらきを確かめる実験は、次のように行います。

蒸散を確かめる実験 ワセリン 蒸散量 蒸散場所

〔手順〕

実験手順は次のとおりです。

【蒸散実験の手順】

  1. 試験管A~試験管Dを条件にしたがって、ワセリンをぬる
     A;葉にワセリンをぬらない
     B;葉のにワセリンをぬる
     C;葉のにワセリンをぬる
     D;葉がない
  2. 全ての試験管には、同じ量の水を入れ、を落とす
  3. 全体の質量を、それぞれ電子てんびんで測定する
  4. 明るく風通しのよいところにしばらく置く
  5. 再び電子てんびんで測定し、減少量を計算する
  • ワセリンをぬった理由; 気孔を防ぎ蒸散が行えないようにするため
  • 油を水に落とした理由; 水面を防ぎ水の蒸発が起きないようにするため

〔結果〕

水の減少量は、下表のようになります。

試験管ABCD
水の減少量

(㎤)

342871

試験管Bと試験管Cを比べると、次のことが分かります。

葉の裏側からの蒸散量は、表側より多い

〔考察〕

葉の裏側の蒸散量が多い結果から、次のようなことが考察できます。

気孔は葉の裏側に多い

〔実践問題〕

蒸散の実験では、試験管Dの水の減少量を求める問題がテストに出やすいです。

解き方はいろいろありますが、ポイントは次の公式を理解することです。

【蒸散公式】

D = B + C ー A

上の公式を理解するポイントは、植物の蒸散する場所を正しく理解することです。

【植物の蒸散場所】

  • A;葉の表と裏と茎
  • B;葉の裏と茎
  • C;葉の表と茎
  • D;茎のみ

上記の蒸散場所を、蒸散公式に当てはめると、次のようになります。

BCA
=()+()ー(

A、B、Cに数を当てはめた計算は、次のとおりです。

A・B・CからDの蒸散量を求める〕 茎 = B +  C ー   A =( 裏 + 茎 )+( 表 + 茎 )ー( 表 + 裏 + 茎 ) = 28 +   7  ー   34 = 1  →葉以外の部分から放出された水蒸気の量は1c m

茎(葉以外の部分)から放出された水蒸気の量は1㎤だと分かります。

【まとめ】植物の光合成とデンプン・呼吸の関係|中2理科 生物

本記事では植物の体について学びました。

光合成のしくみについて、次のノート図を参考にしましょう。

光合成のしくみ 光合成は、主に葉で行います。 光合成は、葉の細胞内の葉緑体という緑色の粒で行われます。 光合成をするためには、葉緑体に光を当てる必要があります。 光合成を行うには、二酸化炭素と水が必要です。 植物は葉で光合成を行い、酸素とデンプンなどの栄養分をつくります。

光合成

葉緑体を受けて、二酸化炭素から、デンプンなどの栄養分と酸素をつくる

 

光合成のはたらきを確かめるために、次の4つの実験があります。

  1. ふ入りの葉の実験
  2. オオカナダモの実験
  3. 吸う気体を確かめる実験
  4. 出す気体を確かめる実験

 

ふ入りの葉の実験は、次のノート図のとおりです。

〔手順〕 1. アルミニウムはくで一部をおおう 2. 熱湯につける ※細胞をこわして、エタノールを細胞内に入れやすくするため 3. エタノールに入れる ※葉を脱色し、観察しやすくするため 4. 熱湯に入れて加熱する ※エタノールは引火しやすいため 5. 水で洗う 6. ヨウ素溶液につける ※ヨウ素デンプン反応が起こると青紫色になるため 〔結果〕 Aは青紫色に変化したが、部分B~部分Dは変化しなかった 〔考察〕 1. 部分Aと部分Cを比べると、光合成は葉の緑色の部分で行われ、デンプンができた 2. 部分Aと部分Bを比べると、光合成は日光が当たると行われ、デンプンができた

ふ入りの葉の実験での注意点と注意する理由は、次のようにまとめられます。

【実験の注意点】

  • エタノールをつかう理由;葉を脱色し、観察しやすくするため
  • エタノールは熱湯に入れて加熱する理由;エタノールは引火しやすいため
  • ヨウ素溶液につける理由;ヨウ素デンプン反応が起こると青紫色になるため

ふ入りの葉の実験で考察できることは、次の2つです。

ふ入り葉実験で分かること

  1. 光合成は葉の緑色の部分で行われデンプンができたことが分かる
  2. 光合成は日光が当たると行われる

 

オオカナダモの実験は、次のようにまとめられます。

オオカナダモの葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。 〔手順〕 1. ペトリ皿Aに葉を入れ、光に当てる 2. ペトリ皿Bに葉を入れ、暗室に置く 3. ペトリ皿Aとペトリ皿Bの葉にヨウ素溶液をつけ、顕微鏡で観察する 〔結果〕 葉を光に当てたら、葉緑体の部分のみ青紫色に変化した 〔考察〕 葉緑体に光が当たることで、デンプンができる

オオカナダモの実験で考察できることは、次のとおりです。

葉緑体が当たることでデンプンができる

 

吸う気体を確かめる実験は、次のようにまとめられます。

手順 1. 試験管Aに葉と呼気入れた後、光に当てる 2. 試験管Bに呼気を入れ、光に当てる 3. 試験管Aと試験管B石灰水を入れ、よく振る吸う気体を確かめる実験で考察できることは、次のとおりです。

植物が光合成を行うと、二酸化炭素を取り入れる

 

出す気体を確かめる実験は、次のようにまとめられます。

水草を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。 〔手順〕 1. 水槽に水を入れ、ペットボトルと試験管を水で満たしておく 2. 水で満たしたペットボトルに水草を入れる 3. 穴をあけたフタにゴム管を通し、水で満たした試験管にゴム管のもう一方の端を入れる【水上置換法】 4. 水草に日光が当たるようにする 試験管に気体が集まったら、水槽からとり出し、試験管に火をつけた線香を入れる 5. この実験の結果と考察は、次のとおりです。 〔結果〕 線香は炎をあげて激しく燃える 〔考察〕 植物が光合成を行うと、酸素を出す出す気体を確かめる実験で考察できることは、次のとおりです。

植物が光合成を行うと、酸素を出す

 

植物が行っている呼吸のまとめノートは、下図のとおりです。

呼吸とは、酸素を取り入れ、二酸化炭素を出すはたらきを言います。 植物は、光合成しているときも、同時に呼吸をしています。 植物の葉を用いて、光合成のはたらきを確かめる実験の手順は、次のとおりです。 〔手順〕 1. 袋Aに葉を入れ、暗室に置く。 2. 袋Bに葉を入れずに、暗室に置く。 3. 袋Aと袋Bは、ゴム管を通した後、口をしばり、ゴム管のもう一方の端を試験管に入れておく【下方置換法】 4. 試験管Aと試験管B石灰水を入れ、よく振る ・袋Aと袋Bを暗室に置いた理由は、光合成を行わないようにするためです。 試験管Aでは、葉で呼吸が行われ、二酸化炭素が出されたため、石灰水が白くにごったと言えます。 試験管Bでは、二酸化炭素の量を変化させる条件がなかったため、空気中の二酸化炭素の量は変わらず、石灰水が白くにごらないのです。 この実験における総合的な考察としては、次のことが分かります。 二酸化炭素を出していることから、植物は呼吸をしている なお、対照実験をしたことで言えることは、次のとおりです。 植物の葉がなければ、二酸化炭素が増加しない ※「二酸化炭素が増えたのは葉のはたらきによることが分かる」でもOK 植物の呼吸と光合成についてまとめると、次のように言えます。 植物は光が当たると、光合成・呼吸をする 植物は光が当たらないと、呼吸だけをする 昼の太陽光がよく当たるとき、植物は見かけ上は光合成だけを行っているように見えます。 光が強い昼間は、 呼吸より光合成で出入りする気体の量の方が多いからです。 光合成のはたらき > 呼吸のはたらき

  • 呼吸酸素を取り入れ二酸化炭素を出すはたらき
  • 呼吸を確かめる実験での考察は「二酸化炭素を出していることから、植物も呼吸をしていることが分かる」となる

 

茎のつくりについて、単子葉類と双子葉類でのちがいを、次のように解説しました。

茎は体を支え、葉をつけるのが主なはたらきです。 茎のつくりのポイントは、次の3つです。 茎には維管束が通っている 師管;維管束の外側にある 道管;維管束の内側にある 茎のつくりは植物の分類によって、ちがいが見られます。 単子葉類と双子葉類の維管束のポイントは、次のとおりです。 【単子葉類の横断面】 維管束が散在している 【双子葉類の横断面】 維管束が輪のように並んでいる

  • 単子葉類維管束散在
  • 双子葉類維管束輪のように並ぶ

根にも維管束が通っており、下図のとおり覚えるといいでしょう。

【根の維管束

  • 師管;外側
  • 道管;内側

 

葉のつくりは、下図を参考にしましょう。

葉の横断面のポイントは、次のとおりです。 1. 葉の表側には表皮がある(表皮細胞) 2. 葉の内側(上側)には、すきまなく並んでいる細胞の集まりがある 3. 葉の内側(下側)には、すきまが多い細胞の集まりがある 4. 維管束のうち、道管は上側にあり、師管は下側にある 5. 葉の裏側には気孔がある 気孔は、三日月形の孔辺細胞でできています。 孔辺細胞には葉緑体がありますが、表皮細胞には葉緑体がありません。 表皮細胞にも孔辺細胞にも、核は1つずつあります。 気孔のはたらきは、次の2つです。 1. 酸素・二酸化炭素の出入口 ※呼吸;酸素が出て、二酸化炭素が入る ※光合成;酸素が入り、二酸化炭素が出る 2. 水蒸気の出口 ※蒸散

  • 維管束のうち、道管は上、師管は下
  • 葉の細胞のうち、上はすきまなく並び、下はすきまが多い
  • 葉の裏側には気孔が多数見られる

 

葉の蒸散について、下図のようにまとめるといいでしょう。

蒸散とは、根から吸い上げられた水が、気孔から水蒸気として出ていくはたらきのことです。 蒸散を行うと、吸水(根からの水の吸い上げ)がさかんになるという特徴があります。 〔手順〕 1. 試験管A~試験管Dを条件にしたがって準備する  A;葉にワセリンをぬらない  B;葉の表にワセリンをぬる  C;葉の裏にワセリンをぬる  D;葉がない 2. 全ての試験管には、同じ量の水を入れ、油を落とす 3. 全体の質量を、それぞれ電子てんびんで測定する 4. 明るく風通しのよいところにしばらく置く 5. 再び電子てんびんで測定し、減少量を計算する ワセリンをぬった理由は、気孔を防ぎ、蒸散が行えないようにするためです。 油を水に落とした理由は、水面を防ぎ、水の蒸発が起きないようにするためです。 〔結果〕 葉の裏側からの蒸散量は、表側より多い 〔考察〕 気孔は葉の裏側に多い

  • 蒸散とは、根から吸い上げられた気孔から、水蒸気として出ていくはたらき
  • 蒸散を行うと、吸水(根からの水の吸い上げ)がさかんになる

以上、中学2年生の生物分野『植物の体』についての学習でした。

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けい先生
中学校・高校の理科教員。某公立大理学部物理科学科卒業。大手進学塾で集団授業の講師、模試や問題集の作成会社とフリー契約経験あり。 ●サイトのビジョン;科学好きなヒトを増やす! ー不治の病をなくしたり、生活を楽にするモノを開発したりする次世代の科学者が一人でも増えますように。
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