- どうやって勉強したら理科のテストで点数が取れるの?
- 学校の理科の授業で、先生が言ってることが意味不明なんですけど。
- 小学校の時の理科は好きだったのに、最近おもしろくない……
不思議なことやワクワクする実験を学べて楽しかったのに、難しいことがたくさん出てきて「理科がキライになった」と悩んでいる中学生はとても多いです。
私は大手進学塾講師歴3年、教員歴13年以上をかけて小中高生の理科の指導に現場で携わってきました。また、入試対策問題集の出版社との契約歴もあり、理科教材を100冊以上、比較研究してきました。
そこでこの記事では、理科の現役教員による「理科の科学的に正しい勉強法」を、基本から具体例まで細かく解説します。
私が16年かけて培ってきた塾講師・教員経験を凝縮しました。理科の成績を上げたい方はぜひ参考にしてください。
中学理科の【定期テスト対策】勉強法4選
中学理科の理解度を高める勉強法を4つ紹介します。
上記の勉強法を一つ一つ試していけば、確実に学力が高まります。
1.理科の資料集や参考書を音読する
学校で購入した理科の資料集を音読しましょう。なければ参考書の購入をおすすめします。理解力が深まり、成績アップにつながります。
音読は口を使って声を出し、耳も使います。
ぼやっと目で読むのとは違い、音読には内容の理解が必要です。頭の中を整理しながら読み、理解して音読すれば効率的に知識を吸収できるでしょう。
音読すると、思考力や読解力もアップします。単語カードをつくって暗記するのとは違い、総合的な理解力を高められるのです。
次のような内容も理解しながら音読しましょう。
忘れずに音読すべきポイント
- 生物の図の解説
- 化学反応式
- 物理の公式(計算式)
- 地学の図形読解
上記のような「文章でないややこしもの」こそ、理解するためにぜひ音読してください。
資料集や参考書を持っていない方は、次の参考書がおすすめです。
2.動画配信を見る
理科の動画配信は、効果的に勉強でき、学習効率を高められます。
分かりやすくまとめられた解説動画を見ると、楽しんで学習を続けられます。
動画配信で勉強するメリットは次のとおりです。
- 分からなければ巻き戻して見直せる
- ノートに書く時間の分だけ動画を一時停止できる
- イラストがあるため飽きずに楽しく学習できる
- 夜中やスキマ時間などいつでも動画授業を受けられる
インターネットやYouTubeで検索すると、さまざまな動画を見つけられます。ぜひ自分のお気に入り動画を見つけましょう。
なお、配信動画による学習は、次の3点に注意するとより効果的に学習できます。
- 自分のレベルに合った動画を選ぶ
- 机に端末を置きノートにメモしながら視聴する
- 動画を見た後はワークを使って問題を解く
動画を正しく活用すると、理解力や学習意欲、学習効率をアップできます。
授業が難しくて悩んでいたら、動画配信を積極的に活用し、理科の成績を効率よくアップしましょう。
私のYouTubeチャンネルでも勉強の解説を随時更新中です。ぜひご覧ください。
3.やることをしぼって問題集を3周解く
理科のテストの成績を確実に上げる勉強法は「やるべきことをしぼる」こと。
テストで点数が上がるワークの解き方は、次の4ステップです。
- 学校のワークを自力で解く|1回目
- ペンを3色使って答え合わせをする
- 取り組む問題をしぼって解く|2回目
- 最後に全ての問題を解く|3回目
ワークを3回解くのは大変ですが、大変だからこそやる意味があります。ここまでやると、平均点は超えるでしょう。
学校のワークを自力で解く|1回目
学校のワークの問題を、一度自力で解きましょう。
教科書を見ながら解いたり、ひとに聞いたりしてはいけません。授業で勉強した後、何のヒントもなしに自力で答えるのです。
テスト点が上がるワークの解き方のポイントは、次の3つです。
- 分からなくても「空欄」をつくらない
- 分からないときにすぐに「解答・解説」を見ない
- テスト前にまとめてやらない
「ワークが宿題だからやる」のではなく「自分の得意や苦手に気付くために解く」という気持ちでワークを解きましょう。
ペンを3色使って答え合わせをする
テストで点数を取るためには、次のように答え合わせを工夫するといいでしょう。
- 自信があって正解の問題には、緑色ペンで丸
- 解答を見て全く分からなかった問題には、赤ペンでバツ
- その他の問題には、青ペンで丸とバツ
3色使って丸つけすると時間もかかり面倒ですが、自己分析のために必要な作業です。
面倒だし皆がやりたがらないからこそ、やることであなたの点数は上がります。3色使った丸つけをしてみましょう。
取り組む問題をしぼって解く|2回目
3色で丸をつけたワークをもとに、問題を次の3つに分けます。
- 分かる問題 = 緑色ペン
- あやふやな問題 = 青色ペン
- 分からない問題 = 赤色ペン
取り組むべき問題は「青ペン」で丸バツをつけた「あやふやな問題」です。「あやふやな問題」の確実性を上げればテスト点が上がります。
自分がもう一度取り組む問題が分かれば、同じワークの2回目を解いていきます。
「分かる問題」と「分からない問題」は取り組みません。「あやふやな問題」のみに全力を注ぎましょう。
理科は理解に時間がかかります。「分からない問題」を分かろうとして、ひとりで悩み続けないようにしましょう。
「今は」やらずに放置していても、いろいろな知識をつけたあとでやってみると「分かる」ようになっているものです。
まずは「あやふやな問題」を解けるようにして、確実に点数を上げていきましょう。
最後に全ての問題を解く|3回目
最後に、もう一度全ての問題を解いてみましょう。
赤ペンでバツをつけていた「分からない問題」も解ける問題が少しは増えているはずです。ただし、再びやってみて分からなければ、深追いはやめましょう。
5分悩んでも「やっぱり分からない」なら「今は諦める」が正解です。一人で悩まず先生に質問したり、友だちに聞いてみましょう。
3回分のワークを正しい方法で解けば、テストの点数は上がります。
地道な努力を継続して、理科が分かるようになれば、勉強が楽しくなってきます。
ぜひ3回分、学校のワークを解いてみてください。
ワークを3周解いても「分からない問題」は先生に質問に行きましょう。
4.ノートにまとめる
ノートを活用すると、学習の効果を高められます。
ノートにも種類があり、次のようなノートをうまく使い分けることで、学習効果をより高められるでしょう。
- 授業ノート
- まとめノート
- 問題集ノート
- 暗記ノート
授業ノートの質を高め、問題集ノートや暗記ノートでコツコツと勉強するのがおすすめな勉強法です。
まじめな子には「まとめノート」はおすすめしないです。詳しく解説します。
次の記事もノートづくりの参考になるでしょう。ぜひご覧ください。
1.授業ノート【未来の自分のために書こう】
授業ノートは、授業中に書くノートです。
授業ノートを書くときの注意点は、ノートを書く目的を見失わないこと。
後から見直したくなるノートを目指しましょう。ノートを書くポイントは次のとおりです。
- 鉛筆とオレンジペンだけつかい、色を使いすぎない
- キレイに書くのではなく、分かるように書く
- もったいないと感じるほど余白を大きく取る
- 先生の話をメモする
- テストのために、大切なことをメモしておく
上記のポイントを守り、授業ノートを書くと、テスト前に自分だけのオリジナル参考書が完成します。小さな工夫が、テスト点の大きなアップにつながります。★
2.まとめノート【絶対につくらないで!】
まとめノートは、授業後に自分なりに内容をまとめるノートです。
なお、本サイトでは「まとめノート」をつくるのをおすすめしないです。まとめノートをつくると時間がかかりすぎてしまうからです。
まとめノートを授業後に新たにつくるのではなく、まとめノートにもなるような授業ノートを書く方が効率がいいでしょう。
次のようなことを意識すると「まとめノートを兼ね備えた授業ノート」をつくれます。
- 黒板をそのまま写さず、まとめながらノートを書く
- 先生が黒板に書かなかった内容を追加してまとめる
- 先生が「テストに出る」と言った内容を詳しく書く
まじめな子は、授業ノートを黒板のままキレイに写すことに全力をそそぎがちです。
授業ノートをキレイに書いた後、さらにまとめノートをていねいに仕上げていては、時間の割にテストの点数はたいして上がりません。気をつけましょう。
3.問題集ノート【3周解こう】
「問題集ノート」とは、問題集の冊子に直接書き込むのではなく、ノートに問題を解いていくノートです。
余白に計算式を書けるし、自分なりの工夫がしやすいことがメリットです。
問題集は学校指定のワークで十分です。新たに買う必要はありません。
どうしても学校指定ワークが自分に合わなければ次の問題集をお試しください。
いろいろな問題に手をつけずに、同じ問題集を3周分解くことが重要です。
学力が必ず向上します。ぜひ挑戦してみてください。
4.暗記ノート【一問一答を完ぺきにする】
理科のテストでは、用語そのものを問われる問題が多く出題されます。
「まとめノート」のようにきれいにまとめる必要はないため、短時間で学習でき効果が高いのが「暗記ノート」のメリットです。
おすすめの暗記ノートのつくり方は、次のとおりです。
- ノートを新しく用意して、ページの半分を線で区切る
- 引いた中央線の左側に覚えたいこと、右側にその答えを書く
- 下敷きなどでかくして学習する
一問一答の暗記ノートの例は、下のノート画像のとおりです。
もうすでに覚えているようなことは書かないで、自分にとって必要なものだけ書くといいでしょう。
【中学理科】分野別の勉強法
さまざまなことを学習する中学理科では、分野や単元によって点数の上がりやすい勉強法が異なります。
中学理科には、次の4つの分野があります。
- 物質(化学)
- エネルギー(物理)
- 生命(生物)
- 地球(地学)
中学理科では各分野ごとに内容が大きく異なり、それぞれ違う面白さがあります。おすすめの勉強法も分野ごとに少しずつちがいます。
化学分野の勉強法
化学分野は暗記ノートを活用したり、資料集を音読したりして理解を深めましょう。
実験が多い分野なので、実験の注意点や実験結果、考察についての理解度が求められます。ノートに書いて何度も見直すといいでしょう。
化学分野は計算が多いため、次のような内容でつまずく生徒が多いです。
- 中1;密度、質量パーセント濃度、溶解度
- 中2;化学反応式
- 中3;イオンや電池
上記の内容では、解説動画授業を見ると分かりやすいでしょう。
次の3つは、動画が分かりやすくておすすめです。
物理分野の勉強法
物理分野の学習は、資料集を何度も音読して理解し、たくさん問題を解くといいでしょう。
物理分野は計算や作図が多く、苦手に感じる中学生が多い分野です。多くの中学生が苦手に感じる内容は、次のとおりです。
- 中1;光の作図、力の矢印の作図、フックの法則
- 中2;オームの法則、電流と磁界の関係
- 中3;圧力、浮力、エネルギー
上記の内容は問題に慣れることが重要です。意味が分からない問題は、理解できるまで声に出して音読してみましょう。
物理分野は、一人で悩んでいても解き方が分からないです。分からない問題は、先生に相談に行きましょう。
可能なら家庭教師や個別指導塾を利用することが理想です。理科の物理分野は、一人で悩まず先生に質問して効率よく学習しましょう。
生物分野の勉強法
暗記ノートをつくって、繰り返し音読しましょう。
生物分野は中学生にとって、理解しやすく人気があります。しかし、覚えることが多く、退屈に感じる生徒が多い分野でもあります。
資料集などの写真や図を見ながら、反復して音読すると長期記憶に残りやすくなります。
写真を多く取り入れている動画などで学習するのも効果的です。
地学分野の勉強法
地学分野は問題集をたくさん解き、問題に慣れる方法がおすすめです。
生物と同じように「地学は暗記」と誤解されがちですが、地学は理解力が必要な分野です。
理解力が必要になる地学分野の内容は次のとおりです。
- 中1;地震波計算、柱状図読解
- 中2;水蒸気量の計算、気圧配置と天気
- 中3;南中高度の計算、金星の見え方
実は、地学には計算問題が多いうえ、イメージしにくい問題がたくさんあります。資料集で図や写真を見たり、音読したりするといいでしょう。
苦手な理科を得点源にする方法3選
上記の方法を実践すると、理科は苦手な方でも得点を取りやすい教科になります。詳しく解説します。
1.計算問題の克服法
計算問題の克服には、次の3つのステップが必要です。
計算問題を得意にする3ステップ
- 計算の途中式を必ず書く
- 途中式を速くていねいに書く練習をする
- 分からない問題があれば、途中式を先生に見てもらう
計算の途中式を雑に書く人は、計算問題の正答率が極端に低いです。逆に、途中式の重要度を理解するだけで、定期テストの点数を10点近く上げた生徒もたくさんいます。
先生に相談に行くときに、途中式を書いていると具体的なためになるアドバイスをもらいやすいです。塾の講師や、家庭教師に質問するときも、素早く的確なアドバイスをもらえるメリットがあります。
「途中式をきちんと書いて、分からなければ先生に聞く」ことが計算問題で点数を高める唯一の方法です。
中学校の理科の先生に相談しにくいなら、塾や家庭教師を利用しましょう。
2.イメージしにくい内容の理解術
イメージしにくい単元の学習には、資料集を音読して、資料集の図を書き写すことをおすすめします。
中学理科では、目で見られない現象を多く学びます。「イメージできないし、よく分からない」と感じ、苦手になってしまう生徒が多いです。
なお、アニメーション動画などを見ても、理解がしやすくなるためおすすめです。
動画を見ることでイメージしにくい物理・化学単元を克服しましょう。
物理・化学単元は理解力に大きな個人差が生まれる単元です。図をよく見てイメージ力を身につけると、周りの差をつけられます。
3.暗記系の勉強法
暗記系の分野や用語は、暗記ノートに一問一答形式でまとめて学習するといいでしょう。
学校の授業中に書いている授業ノートの書き方も工夫しましょう。
オレンジペンで重要な内容を書くと、赤シートで消えるため、テスト前の復習に効果的です。
YouTubeにも一問一答の動画が多く配信されているため、活用するのがおすすめです。テスト前の総仕上げの確認になり、効率よく学習できます。
暗記問題を確実に覚えると、理科のテストの点数が伸びる生徒が多いです。
【高校受験】入試の理科で高得点を取る勉強法
理科が苦手な方でも、高校入試の理科で高得点を取ることは可能です。
次の4ステップを確実にこなしましょう。
- 暗記ノートで用語を覚える
- 入試対策問題集を最後のページまでやりきる
- 分かっているつもりの「あやふや」な問題をなくす
- 過去問を解く
1.暗記ノートで用語を覚える
問題集を解き始める前の総復習として、理科の用語確認を行うことをおすすめします。
先に全ての用語を総復習しておくことで、難しい問題に悩む時間を減らせます。
英単語を先に覚えないと、英文法や長文読解の効率が下がってしまう英語の学習の仕方とよく似ています。
2.入試対策問題集を最後のページまでやりきる
中学3年の夏休みから入試対策問題集を解き始めましょう。
ポイントは、とにかく早く1周終わらせること。難しい問題は後回しでかまいません。
次に、難しいと感じた問題を、先生に徹底的に質問しながら2周目をやりましょう。2周目の目的は「理解」です。
さいごに、3周目を解いて完成です。3周解かないと入試問題集を買う意味がないと言ってもいいくらいです。
塾に行っている方は、塾の夏期講習のテキストを3周するといいでしょう。
塾に通っていなくて、入試対策問題集をまだ持っていないなら、次のような問題集がおすすめです。
なお、デジタル問題集を利用するのも効果的です。スタディサプリなら中学1年~3年まで全学年・全教科の解説授業動画もあり、問題数は中学9教科で10,000問以上あるため、かなりおすすめです。
3.分かっているつもりの「あやふや」な問題をなくす
入試のために点数を確実に上げる方法は「あやふやな問題」に目を向けることです。
高校受験の勉強をしていると、どうしても「難しくて分からない」問題にぶつかります。
「難しい問題を解くから賢くなれる」と勘違いしている方は多いです。しかし、難しく感じる問題の多くは、ちょっと悩んだくらいでは解けるようになりません。
点数を確実に上げるには、次のような「あやふや」な問題を見過ごさないことです。
- 分かってたつもりがミスした問題
- ミスはしたけど、解説を読んだら理解できた問題
- なんとなく分かってるけど、ミスが多い問題
あやふやな問題を完ぺきに解けるようになると、難しい問題が分かるようになります。まずは、あやふやな問題に力をそそぎましょう。
4.過去問を解く
過去問を解くベストなタイミングは、夏休み明けてからです。
夏休みに入試対策問題集を3周したあと、夏休み明けに過去問を解いていきます。少なくとも5年分は解きましょう。
過去問を解くことで、入試問題のクセが分かるようになります。
ポイントは解説を読み込むこと。解説にこそ、成長のヒントが詰まっています。
ぜひ解説を読んでみましょう。
まとめ|コツコツ学び、先生にたくさん質問しよう
定期テストで活躍するための勉強法を4つ解説しました。
「かんたんな方法でたった3日でテストの点数が爆上がりする方法」はありません。地道だけど、科学的に正しい、自分に合った方法で勉強するからテストの点数が上がります。
理科は苦手感を持つ生徒が多いため、理科が少し分かるようになるだけで、周りに差をつけられます。
ひとりで悩みながら勉強していると、分からないことに無駄な時間を過ごすことが多いです。素直に「成績を上げたいから塾や家庭教師を利用したい」とお家の方に相談してみましょう。
理科のテストの点数が取れないのは、答えが出ないもやもやが勉強の邪魔をしているからです。
たくさん質問をして、分かることが増えれば理科がもっと楽しくなります。お家の方に相談して、塾や家庭教師を検討しましょう。